水族館ガール3

▼水族館ガール3 / 木宮条太郎(Kindle版)

さて「水族館ガール」第三巻。
出向が突然長期化し、アクアパーク由香はいきなり多忙となる。
それにはしっかりワケがあって・・・という感じの内容。

由香水族館業務はさらにバリエーションが増し、内容も専門度が高くなって
いくのが興味深い。これまで真の主役であった筈のイルカたちはすっかり出番
が減り、代わりにサンゴ・ラッコ・マンボウという連中が幅を効かせてくる。
マンボウやサンゴはまだ想像出来る内容なのだが、ラッコやたら飼育が難し
い動物だ、というのが衝撃。僕にとってラッコは見るモノであり、決して飼う
モノでは無い。そういう考えてみれば当たり前の事実が、イヤに重くのしかか
ってくる感じが非常に切ない。

前二作で問題にしたラブコメ部分だが、今回はわりと鼻に付かないレベル
木宮条太郎、今作でようやく分配の適度さに気付いたらしい(^^;)。
おかげで特殊業務小説としてのまとまりは格段に上がっており、シリーズ3作
の中ではいちばん読み応えがあった。

巻を重ねる毎に精度が上がるのは非常に良いこと。おそらくこの後もシリーズ
は続きそうな気配が濃厚なので、次作のリリースを楽しみにしておきます。
・・・できればニッコリーの出番をちょっと多めで♪