オリンピック女子レスリング・吉田沙保里という生き方

昨日同様、女子レスリングのレビューをしようと思ったのだが・・・。
絶対女王・吉田沙保里が出場した53kg級の衝撃があまりにも大きく、気付
いたら吉田に対する文章を長々と書いていた。
多少、まとまりに欠ける気はするが、書いたものをそのまま・・・。

▼リオ五輪・女子レスリングフリースタイル53kg級決勝戦
(日本)×吉田沙保里【1-4】ヘレン・マルーリス○(米国)

・・・残念ながら、女王の四連覇は成らなかった。
決勝の相手となったアメリカのヘレン・マルーリスは実際に強く、指導に
よるビハインドをものともせずに吉田を攻めた。24歳の新鋭・マルーリス
が憧れた選手は、もちろん吉田沙保里その人。攻守のバランスが良く、
パワーとスピードに溢れるレスリングは、確かに若き日の吉田を思い起こ
させるスタイル。絶対女王は、自らが構築し、世界が模範としたレスリ
ングに敗れた。

試合後のインタビューで誰憚ること無く号泣し、「ごめんなさい」を連呼
した吉田。それは絶対に違う。本当に謝らなければならないのは、16年に
渡って当然のように過度な期待を押しつけた我々の方だ。

他競技も含め、日本がメダルを取れなくなった時期にも確実に金メダルを
取って来た吉田沙保里に対し、我々はそれを当然だと思っていなかったか?
そんな重圧が無ければ、最後の片足タックルは決まったのではないか?
・・・そう考えると、本当に申し訳無くて涙が止まらない。

吉田沙保里という不世出の偉大なレスラーに、最大級のリスペクトを!
僕は、あなたを本当に誇りに思う。笑顔で胸を張って帰国してください。
ただただ、お疲れ様でした。
今まで大きな荷物を背負い続けてくれて、本当にありがとう!

▼リオ五輪・女子レスリングフリースタイル63kg級決勝戦
(日本)○川井梨紗子【6-0】マリア・ママシュク×(ベラルーシ)

58kg級から63kg級に階級を上げ、初のオリンピック出場を果たした川井
は、今回の日本女子代表の中でも突出した安定感。上の階級の選手を相手
にしている筈なのに、パワーで一切負けていなかったのが凄い。
前の試合の衝撃を、一瞬だが払拭してくれた川井梨紗子に感謝。この階級、
しばらく川井の天下が続くかもしれない。

これにて、リオオリンピック・女子レスリングは全日程終了。
5つものメダルをもたらした女子代表に、男子代表も続いて欲しい。
高谷惣亮選手、樋口黎選手、頑張れ!