屈辱出版

▼屈辱出版 / 黒野伸一(Kindle版)

またもや読むべき本を読み切ってしまったのでKindleストアを徘徊したところ、
Unlimited扱いで興味深い作品を発見した。「限界集落株式会社」でお馴染み、
黒野伸一エッセイ集。サブタイトルは「出版社に戦力外通告された小説家が
自力でエッセイ集を出してみた」。え〜、戦力外って(^^;)。

というワケで、こちらはKindleのみでリリースされた自費出版作品。
戦力外云々はともかく、確かに黒野伸一のエッセイはこれまで読んだ覚えが無
いので、ここは迷わずダウンロード。しかし・・・。

いやぁ、くるなぁ、コレ・・・。
内容の8割は動物について書かれている。飼っていた小鳥や近所の犬・猫の話
題であり、どれも軽妙で緩やかなエピソードなのだが、どうしたワケか全ての
物語で鼻がツーンときてしまう。愛玩動物の生死、というのは僕にとってかな
りの劇薬で、この手の話には本当に弱い。読んでいるうちに過去のいろいろな
ことを思い出してしまったらしい・・・。

いくつかの誤字・脱字があり、レイアウトも適当、等のインディーズ感が漂う
のは否めないが、ストレートで肩に力が入って居ない黒野伸一の文章はなかな
か魅力的。しかし、活躍の舞台が自費出版の世界になっちゃう、というのは、
ちょっと寂しいのだが・・・。

心配になって調べてみたら、2018年3月以降のリリースが無い
本当なのかなぁ、戦力外って・・・。