風車の理論・実践者

#njnbg


新日本プロレス「THE NEW BEGINNING in NAGOYA」愛知県体育館大会。
NEW BEGINNINGシリーズ最初のビッグマッチで、メインカードは・・・。

NEVER無差別級選手権。王者の鷹木信悟に、棚橋弘至が挑む試合。
正直言うと、この試合が決まった時の感情は複雑だった。あの棚橋が、
まさか【Bクラス】のタイトルに挑戦しなければならないなんて・・・。

Bクラスとは言っても、NEVERにはNEVERの価値があるのは認める。
石井智宏真壁刀義、そしてもちろん現王者の鷹木信悟など、いわゆる
ゴツゴツ系の選手たちが真っ向からぶつかり合うスタイルは、世界でも
類を見ない。敢えて近い世界を探すのなら、今のNOAH・GHCのスタイ
ルだが、出来る選手は限られてくる。

もちろんNEVERスタイルはキライじゃ無いのだが、棚橋がその世界に入
るのは違和感・・・いや、格落ちするようでイヤだった。そして、そのスタ
イルで闘う限り、今の鷹木に棚橋が勝てるとは思えなかったのだが・・・。

驚いたことに、棚橋は鷹木の世界にしっかり順応し、互角以上に渡り合っ
て魅せた。いや、互角に見えるが、時間が経過するにつけ棚橋が大きく見
えてくる。とにかく鷹木の当たりの強い攻めをほぼ全て受け、それでもス
タミナを残していた。この姿は・・・。

ハイフライアタック→ドラゴンスープレックス→ハイフライフローのフル
コースを見事に決め、棚橋が鷹木に完勝。自身初となるNEVER無差別級
ベルトを手にした。

相手の全てを引き出し、スリリングな展開を作った上で勝利する。
このスタイルは正に全盛期のアントニオ猪木の姿と同じである。そして、
猪木は時折対戦相手を「殺す」が、棚橋と対戦した相手は絶対に傷付かな
。ココに棚橋が世界中のレスラーから尊敬される理由があると思う。

NEVER王座をどう使うか、棚橋の腕の見せ所。US王座を取って新日本内
のグランドスラムを狙ってもいいし、コレを守り切って飯伏の持つIWGP
王座との統一戦を狙ってもいい。とにかく、棚橋がもう一度メインストリ
ームの主役になることを、僕は心から願っている。