#微妙
池井戸潤の新作は、ずいぶん久しぶりの「民王」第二弾。
氏にしては珍しい政治コメディで、前作は総理大臣の父親とそのバカ息子
の心と身体が入れ替わってしまう、というドタバタ劇。テレビドラマにも
なった秀作で、かなり笑わせて貰った記憶が。
低値停滞する日本に、突然起こった未知のウィルス騒動。右往左往しなが
ら解決策を探る総理大臣とその周囲の人々、ソレに巻き込まれたバカ息子、
見え隠れする陰謀・・・といった感じ。今回は入れ替わりは特に無い。
言ってしまえば、現在進行中のコロナ騒動を絶妙にアレンジし、コメディ
に仕上げたなかなかの意欲作。いまこの時期にこの作品をリリースする、
というのは、かなりの勇気が必要だったのでは?とか思う。
もちろん爆笑出来るところもあるし、今回は前作で暴君ぶりを如何なく発
揮した総理の「格好良さ」というアイテムも。非常に面白かった、と言い
たいところなんだけど・・・。
・・・ごめん、まだちょっと笑えないや、僕は。
今の状況が今後どうなったとしても、あと1年したらもう一度読むつもり。
その時に大笑い出来ればいいんだけど。