PEPEER’S GHOST

#ネコジゴハンター


▼ペッパーズ・ゴースト / 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の新作。
伊坂先生、コンスタントなリリースをしてくれるありがたい作家なのだ
けど、今回は前作「逆ソクラテス」から、珍しく1年半も空いた。
このブランクで禁断症状の出た人は多いかと。
もちろん、僕もその一人である。

細かな感想を書く前に、この本を読んでいる時の僕の様子(^^;)などを。
僕はいったん本を読み始めると、結構なスピードですぐに読み終えてし
まう速読家なのだが、この本はかなり特殊な読み方を余儀なくされた。
ページを開き始めてから、読了までに至った日数はなんと7日間。一冊
の本にこれだけ時間をかけた覚えはココ10年皆無であり、全く以て
“らしくない”振る舞いなのだが、その原因はもう本当に単純明快。あま
りにおもしろくて、読み終わってしまうのが惜しい、という子どもの様
な感覚に陥ってしまったのである。

・・・そんな『凄い本』の内容は、いわゆる【能力者】が主人公。
氏の代表作である「魔王」の兄弟と同様、ちょっとだけ異様な超能力
有する普通の中学校教諭が、あれよあれよと言う間に大きな事件に巻き
込まれていくお話。全編で伊坂節全開の、ファンタジーエンターテイン
メント作品である。

いろんなところに様々な【無理】があるキャラ設定をしているにも関わ
らず、登場人物たちの言動に全く無理が無い。結構な長編をこの状況の
まま書ききってしまうテクニックは相変わらず見事。こういう芸当の出
来る作家、伊坂幸太郎の他には・・・尾田栄一郎くらいじゃないだろうか?

とにかく先週の一週間、本当に幸せな時間をいただきました!
そしてネコジゴハンターとその依頼者に、拍手と祝福とリスペクトを!