#ショートショートホラー
▼こどもの頃のこわい話 きみのわるい話 / 蛙坂須美

Kindle Unlimitedのリコメンドに出て来た作品。
蛙坂須美という作家はもちろん初めてで、調べてみると各種の怪談アンソロジーで
短編を発表している人らしい。非常に不気味な表紙デザインに惹かれ、取り敢えず
読んでみた。
収録数、なんと45篇(!)。
いろいろな人たちの「体験談」という体で書かれており、それが故に“オチ”が無い。
こういうの、本来は苦手なのだけど、この本に書いてあるエピソードは、僕らの世
代が小中学生の頃に都市伝説よろしく語られたような話のオンパレードで、思った
以上に懐かしく、そして取っつきやすい。逆にオチがあったとすれば、きっと反抗
心が沸いて来て読後感が悪くなるハズ。そういう意味で成功している気がする。
個人的にヒットしたのは「猿なし猿まわし」。公園から太鼓の音が聞こえるのだが、
その音が聞こえる人と聞こえない人がいる。取り敢えず公園に行ってみると、そこ
には見えない猿をつれた猿面の男が居て・・・という感じ。こういうよくありそうな
話が幾つも出てくるのは妙に楽しく、あっという間に読了してしまった。
コレはかなりの良作、だと思う。
Unlimitedのリコメンドは当たり外れが激しいのだが、コレは良い方に転んだ。
こういうのがあるから止められないんだよなぁ、Unlimited徘徊♪
