風呂ソムリエ

▼風呂ソムリエ ~天天コーポレーション入浴剤開発室~ / 青木祐子(Kindle版)

青木祐子天天コーポレーションシリーズ(?)を連続で。
「経費」でも登場した森若さんの同期・入浴剤開発研究員鏡美月と、研究所
受付嬢を務める派遣OL砂川ゆいみ2人の女性主人公。どちらも「経費」
にチラッと登場して来た人。どうやらまたもや順番を間違ったようで、こちら
の方が先にリリースされた作品らしい。

入浴剤の開発にまつわるヒューマンエピソードスーパー銭湯愛好家としては
非常に興味深い内容で、あっちの「お金」の話よりも断然を感じる。両極端
な主人公たちに徐々に友情が芽生えていく様も、同じく両極端な恋愛模様も程
よい味付けになっており、妙にほっこりするお話。

「家庭で温泉を再現する」というのは正直言って無理だと思うのだが、そうい
う夢を実現しようとしゃかりきに頑張る人たちに感情移入せざるを得ず。天然
温泉では無い銭湯に本物そっくりなお湯を再現するには、高性能な入浴剤の
開発はマスト。作者はバスクリン社を取材したらしいのだが、そういう開発者
の拘り的なモノが多分に感じられる佳作だと思います。

別にシリーズと言うわけでは無いと思うのだけど、天天コーポレーションの他
の人のエピソードがあるのなら、是非続編を期待したいところ。両作品共通で
悪役を演じた秘書さんのエピソードなんて、かなり読んでみたい気がする。

・・・他の作品はちょっとラ系の雰囲気が強すぎて、読む気になれないので(^^;)。

リアル古都・奈良

昨日より一泊二日で奈良滞在。
アチラでも書いたのだが、奈良はおそらく中学校の修学旅行以来・・・だと思う。
正直、雰囲気は京都の100倍くらい良い。格好付けてない、というか、コッチ
の方が歴史が深いぜ!的な余裕というか(^^;)。

・・・しかし、仕事をする場所としては結構厄介かも(^^;)。
そもそも論として、あの狭い道オンパレードの場所に機材搬入のトラックが入
れるかどうか、そこが微妙。それさえクリアしちゃえばなんてこと無いのだが。

ただ、再来週の本番がちょっと楽しみになってきた。
奈良、すげぇよ!

これは経費で落ちません!

▼これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ / 青木祐子(Kindle版)

Kindleストアリコメンド作品。 青木祐子作品は多分初めて。
完全にタイトルに惹かれて購入した作品。経理vs営業というのはどこの会社
でも頻繁に存在する紛争であり、そのあたりの息詰まる攻防戦が読める!、
と思って購入したのだが・・・。

正直言えば、タイトルに偽りアリだと思う(^^;)。
もちろん、生々しくて息詰まるような攻防戦はちゃんと登場するのだが、この
作品の主人公はどちらかといえば営業の立場をちゃんと考えてくれる協力的な
経理担当。「これは経費で落ちません!」などと言う言葉を発する場面は無く、
どちらかと言えば「そりゃあいくらなんでも無理だろ?」という経費をなんと
か落としてくれようとする「神」のような人物。そして美人(^^;)。
いっそのことタイトルを「コレはなんとか落としましょう!」とかにすれば良
かった気がする。編集にセンスが無いのかなぁ・・・。

まぁ、そういう「孤高のヒロイン」的なテイストに溢れる佳作ではあるのだが、
いくつか気になった点も。登場人物の固有名詞が多々出てくるのだが、人物に
よってで呼んだり名で呼んだりとかなりチグハグ。女性ばかりが3〜4人登場
し、名字名前が入り乱れた状態になるとかなり混乱する。そのあたりをきち
んと整理して貰えれば、おもしろさは倍増すると思うのだが・・・。

とはいえ、全般的な印象はかなり「良」
他作品のラインナップを見るとラ系の雰囲気が色濃くて躊躇するのだが(^^;)、
関連のもう1作品は読んでみようと思う。表紙もはまぁ、アレなんだけど♪

松岡茉優に注目せよ!

7月全7話予定で始まったNHK「水族館ガール」
結局今クールでいちばん一生懸命観た連ドラになったのだが、オリンピックを
挟んだ所為で最終回オンエア9月入ってから(^^;)。さすがにこの飛び飛び感
は厳しかった(^^;)。

ただ、内容は充実の一言。
僕イチオシの松岡茉優は、最終回にして「凄み」を感じさせる演技を連発する。
喜怒哀楽の表現が本当にすばらしいし、走り去って行く後ろ姿で心情を表現し
ちゃうのだから、もう脱帽。やや抑えめに言った「みくびらないでください!」
というセリフの部分で、本当に怖さを感じたくらい。

松岡茉優、女優としてのポテンシャルは10年に1人のレベルかも。
大袈裟な話ではなく、ここ何年かで深津絵里くらいの領域に簡単に到達しそう。
NHKだけでなく民放もこの女優に注目すべき。もしかしたら演技力月9とか
を復活させちゃうかも・・・。

危険なビーナス

▼危険なビーナス / 東野圭吾

「人魚の眠る家」からおよそ9ヶ月振りとなる東野圭吾の新刊。
年間で2〜3冊はかなり充実した新作を読ませてくれる大家だが、今回は
かなり時間が空いた。しかし、前作がかなり重たいテーマだったので、
このブランクは逆に丁度良い具合。勢い込んで読んでみた。

突然現れた種違いの弟の妻を名乗る人物。彼女から弟の失踪を聞かされ
獣医主人公は、彼女と共に弟の捜索に乗り出す。しかし、行動
を共にするにつれ徐々に彼女が気になり始め・・・という内容。

・・・なんというか、かなり痛快(^^;)。
エピソードは大まじめでかなりハードな内容なのだが、主人公獣医
その周辺の人たちのキャラクターコミカルに描かれているおかげで、
タッチは軽く非常に読みやすい。事件の真相もさることながら、弟の嫁
本気で惚れてしまう兄の心模様を追うのが実に楽しい。

もちろん東野圭吾だから、ミステリー部分もサイエンティフィック
恐ろしいぐらい秀逸なのだが、ヒューマンドラマ部分の面白さがコレを
軽く凌駕している。東野ミステリーでこういう状況なのは、もしかした
ら初めてなんじゃないだろうか?

間違い無く、氏の新境地
気合いの入ったミステリーマニアも、ちょっとした恋愛小説マニアも、
双方の琴線に触れること請け合い。待った甲斐あったな、9ヶ月!