ONE PIECE 99

#麦わらのルフィ


2021年6月4日、遂に「ONE PIECE」99巻が発売。
週刊少年ジャンプ本誌でも話題になった第1,000話が収録される記念巻。
もちろんサブタイトルは1,000話から【麦わらのルフィ】

↑↑、ONE PIECE公式YouTubeチャンネルの99巻発売記念ARムービー。
日付が変わったと同時にこの動画が公開され、居ても経ってもいられなく
なった僕は、深夜2時にコンビニに走り、99巻を手に入れた。

1,000話前後の内容に関しては、ジャンプ本誌を何十回となく繰り返し
読んだので、今さら語るべきことは無い筈なのだけど、やはり1,000話
ルフィの立ち居振る舞い全て「美しい」。ワノ国篇はまだまだ続き
そうだけど、この篇のクライマックスは今までで最高のカタルシスが得
られそう。

あと5年で終了すると言われるワンピース。
まさか100巻を超える超大作になるとは予想していなかったけど、なん
とかこの作品が終了するまでは生きていたい、と心から願う。

まずはカイドウコテンパンに。もうグウの音も出ないくらい叩きのめ
して欲しい。海賊王はお前だ、ルフィ!

▼ONE PIECE 99 / 尾田栄一郎

行動心理捜査官・楯岡絵麻vsミステリー作家・佐藤青南

#エンマ様


▼行動心理捜査官・楯岡絵麻vsミステリー作家・佐藤青南 / 佐藤青南

佐藤青南行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第9弾、ということで良いの
だろうか? これまでずっと統一されてきた英語の2Wordsタイトルが外れ、
一目見て物語の内容が予想出来るモノに。ちょっと長いけど(^^;)。

今回のエンマ様の捜査対象は新進のミステリー作家。文壇や専門筋からは全
く認められていないが、執筆しながら会費が高額なオンラインサロンを主宰
し、その会員たちが複数冊の著作を購入することで単行本の刷り部数が増大
結果ランキング上位にいつも顔を出す、という曰く付きの人物。コレがエン
マ様にとって非常に厄介な技能を持つ人物で・・・という内容。

ああ、今ってこういう作家が居るんだ、とまず思った。
例えばキ○グコングの西○氏あたり(^^;)がそういう感じを醸し出している
気はするが、彼の作品・・・読んだこと無いけど・・・はおそらくそこまで酷く無
い気がする。他にはなんちゃら学会とか新興宗教系の偉い人たちがそういう
手法で本を売っている、というのはなんとなく知っているが、もっとリアル
にコレに該当する作家が存在する模様。そんな際どい人物に、自らの名前
付けてしまうセンス、僕はキライじゃないです。

今回もミステリーとして非常によく出来ているのは間違いないが、ある意味
で現状の出版業界の問題点を突いているところが大きなポイント。これまで
のシリーズ作品の中でも圧倒的に深く、読み応え充分の良作かと。

・・・ただ、個人的には2Wordsタイトル続けて欲しかったなぁ(^^;)。

愚零闘武多伝

#忍炎


▼愚零闘武多 グレート・ムタ伝 / 武藤敬司

G SPIRITS BOOK vol.15としてリリースされたのは、なんとグレート・ムタ
評伝。評伝と言っても、著者武藤敬司だから、ある意味「自伝」でも全く
差し障りは無い(^^;)。プロレスファンだけが解っていれば良いニュアンス。

グレート・ムタはアメリカ遠征中の武藤敬司がプロモーターの要請に従って
顔面にオリエンタルペイントを施したキャラクターを演じたのが始まり。
アメリカで大ブレイクしたキャラを日本でも、ということで新日本のマット
にも登場したが、そこからムタを完全な【別人格】としたところが武藤の賢
であった。

武藤敬司の自伝的な作品はこれまでにもあったが、面白いのはコチラがほぼ
グレート・ムタにのみ注視してタイムラインを描いていること。こういうア
プローチの出来るプロレスラーは、やっぱり武藤敬司しか居ない気がする。

正直、そのあまりの天才ぶりの所為で僕は武藤ファンだったことは無いのだ
けど、プロレスラーとしての上手さ凄さ、さらにその魅力を認めないワケ
にはいかない。それがムタになれば尚更で、これまで印象的だったムタの試
合の殆どが武藤の口から解説されていることに大きな価値がある。

今現在、武藤敬司はNOAHGHCヘビー級のベルトを巻き、エースとして活
躍している。この状況が終わった時、再びムタが降臨するかもしれない。
グレート・ムタ、桜庭和志と試合したら面白いと思うんだけどなぁ・・・。

弥勒世(下)

#沖縄返還前夜


▼弥勒世(下) / 馳星周(Kindle版)

馳星周アンリミテッド、ようやく弥勒世下巻読了
長編、もしくは長期シリーズが多々ある馳星周だが、このボリュームはちょ
っと異常(^^;)。無論、いたずらに長いワケでは無いのだけど・・・。

沖縄というけして大きくない島の話なのにも関わらず、ありとあらゆるキャ
ラクターが登場し、になり、味方になり、その上で死んで行く、という救
いようのない物語。特に、物語の主役級のうちの数名が下巻の前半から中盤
バタバタ死んで行くのは、馳星周の真骨頂。それでも物語と時系列は破綻
せず、恐ろしく空虚なラストに向かって突っ走って行くのだから凄い。

正直、あまりの長さでもうお腹いっぱいではあるのだが、相変わらず骨太で
男臭いザ・ノワール。生きている場所も、時代も、立場も何もかも違う筈の
僕が、主人公のアナーキストぶりに何故だか共感してしまう。もし生まれ変
われるとするなら、僕の脂の乗った時代をココ、高度成長開始時の日本にし
て欲しい。得体の知れない高揚感を味わえそうなので・・・。

・・・さすがにちょっと大長編はお休み(^^;)したいところ。
次はもっとカンタン系の作品をチョイスしようかと。まぁ、タイトルだけを
頼りにしてたら結果は同じかもしれないけど。

弥勒世(上)

#沖縄返還前夜


▼弥勒世(上) / 馳星周(Kindle版)

馳星周アンリミテッド。どうやら「みるくゆぅー」と読む模様。
コレも特に何も考えず、未読作品だったのでチョイスしたのだが、心の準
もせずに読むべきではなかったかも。

第二次対戦終了後、米軍の占領下にあった沖縄。まもなく日本への返還
という混迷の時期に、それぞれの思惑で動く沖縄人米国人日本人の間
を縦横無尽に泳ぎ回り、「自分のためだけ」に何かを成そうとするアナー
キストの物語。

この作品も間違いなく馳星周独特のノワールなのだが、返還直前の沖縄
いう舞台設定が悉く磁場を狂わせる。流されるまま生きることしか許され
ないウチナンチューと呼ばれる沖縄人悲哀ベトナム戦争で身も心もボ
ロボロにされた米軍人トラウマ。コレに全共闘の要素も絡んで来るのだ
から、カオス度合いが半端ではない。ある意味、氏お得意の歌舞伎町アン
ダーグラウンドよりも、よっぽどディープな世界が展開される。

さらにこの作品、単純に「長い」上下巻に別れていたのでハナから覚悟
はしていたのだけど、物語の密度が濃いままでこの長さの読書に対応する
には、強靭な精神力が必要かと。下巻のことを考えると、良い意味で先が
思いやられる。

・・・ただ、上巻の最後半で展開される吐き気を催すような展開だけは勘弁
してもらいたい。僕はああいうのを割り切ることが出来ないんだよね、相
変わらず。