6月31日の同窓会

▼6月31日の同窓会 / 真梨幸子

名実共にイヤミス教祖の位置まで上り詰めた、真梨幸子サマの新作。
タイトルからして何かある、と思わずにいられない「6月31日の同窓会」

あるお嬢様系女子高に在籍したOGたちが、続々と不審死を遂げて行く話。
死ぬ人・殺す人・死なない人と、登場人物は多様だが、基本的にほぼ全員
がこの学校のOG。お嬢様学校にもかかわらず、全員に深すぎる。まぁ、
とにかくゾクゾク来ます、この設定は。

ちょっとだけ残念だったのは、その登場人物の多さから来る混乱。
ミステリーとして実に秀逸な展開なのは間違い無いが、コレがアレでソレ
がダレ、とか確認しながら読んでいてもちょっとカオスになる部分が。
もちろんラストで徹底的なオチを付けてくれるから、チャラで良いのだが。

相変わらず、人の悪意の描写があまりに凄い。
おそらくこの分野では最高峰に居る、と言っても全く過言が無い。
最近、フジコジュンコの映像化でかなり人気が高まっているが、根本の
スタンスを変えずに作品を発表し続ける姿勢がすばらしい。

以降も最悪のイヤミスを書き続けて欲しいな、幸子サマ!