短期間で3つ目、ちょっとハマった松村比呂美の作品。
こちらは全6話の短編集だが、電子書籍オリジナルらしい。Kindleのヘビー
ユーザーとしては、こういう付加価値がちょっと嬉しかったりする。
内容はどれも基本はホラーで、どの篇も主人公は女性。
各篇のタイトルに果物(「溶ける日」除く)が配置されており、それらが
絶妙な不気味さを増進する。そして「後を引く」系の話が多く、彼女らの
その後を想像するだけで背筋が寒くなる程。
今作では単に怖いだけではなく、最終話の「マスカットの空」では、ちょ
っとした幸福感まで出してきた。この作家、やっぱり只者では無い。
しばらくの間、読む本に困った時は「Kindleストアで松村作品」が定番に
なりそうな気配。男性の僕でも充分楽しめるのだが、もしかしたら女性の
方が10倍共感出来るかも。オススメです、松村比呂美。