▼ペンギンを愛した容疑者 警視庁総務部動植物管理係 / 大倉崇裕(Kindle版)
大倉崇裕・動物シリーズ第三弾。
お馴染みの“元捜一の鬼“こと須藤と、“日本語が不自由な動物エキスパート”
であるヒロイン・薄(うすき)が大活躍する物語。前作の「蜂」は手応えの
ある長編だったが、今回は元に戻ってバラエティに富んだ連作短編集。夫婦
漫才のような二人の会話に脂が乗ってきた感。
モチーフとなる動物はペンギン、ヤギ、サル、そしてヨウム。ヨウムはオウ
ムの誤植では無く、インコのでっかいヤツらしい。それだけで目からウロコ
な状態。動物のチョイス、相変わらずすばらしいです!
今作でいちばん印象深かったのは「サル」の巻。
犯人の巧妙な舞台設定には思わず唸ったが、その所行の極悪非道さに思わず
熱くなってしまった。そんなヤツを最後には完膚無きまでに叩きのめしてく
れる凸凹コンビの活躍に大拍手。いやぁ、痛快でした♪
いまのところ動物シリーズはこれが最新作。もちろんこれからも続く物語だ
とは思うが、しばらく読めないのがちょっと悲しい。早いところ新作が出て
くれないかなぁ・・・。