中山七里の作品は、読み始めるとハマりそうなドビュッシーシリーズを除い
てあらかた読破したのだが、それでも残している作品がいくつかはある。
参考にするのはAmazonの★の数で、評価が高いモノから読んでいたのだが、
何故かたまには「評判の良くない作品」に手を出してみよう、という気に。
で、チョイスしたのがコレなワケだが・・・。
・・・いや、普通に面白いですよ、コレ(^^;)。
確かに「帝王」とまで称される終盤のどんでん返しに関してはいつもより食
い足りない感こそあるものの、スピード感の溢れる心情描写はやっぱりスリ
リング。ネタになっている2つの震災は実際に起こったモノで、その辺りは
多少心に引っかかるモノがあるのだが、決してソレを無駄にせず、キッチリ
したドラマを構築してくるのはさすが。
そして、かなりビックリしたのがいわゆる「濡れ場」の生々しさ。
ちょっとした官能小説よりもリアルで淫靡なのは、元々この作家が持ってい
た資質なのだろうか? 少なくとも僕は初めてだったので、少々面食らいなが
らドキドキした(^^;)。他にもあるのかなぁ、こういうの。
結局、「人の評価」というのはつまり「他人の評価」。
レビューに振り回されるのは良くないな、やっぱり(^^;)。