検事の死命

▼検事の死命「佐方貞人」シリーズ / 柚月裕子(Kindle版)


柚月裕子
佐方貞人シリーズ
およそ1ヶ月待った電子書籍がやっとリリースされたので、さっそく読んでみた。

今回ももちろん連作短編法廷ミステリーなのだが、シリーズを通して読んで
来た人たちにある種の「納得」を与えてくれるエピソードがいくつか。特に前
半、非業とも言える死を遂げた佐方の父に関するエピソードでは、読者感情的
腑に落ちなかったストーリーがしっかり処理されており、このシリーズでは
珍しく、実に爽やかな展開に

そして、ラストの中編「死命を賭ける」で、検察という組織の歪な構造に迫っ
ているのがポイント。事件自体はどうということの無い条例違反なのだが、そ
れが検察で働く何人かの人生を左右する事件に発展していく様がダイナミック
に描かれている。法廷での検事・佐方と弁護士との応酬は思わず手に汗を握っ
てしまうほどのリアリティ。いやもう、ただただすばらしいと思います。

このリリースで、このシリーズは全ての作品の電子書籍化が完了。今のところ
この作品が最終だが、こうなってくると弁護士に転職した佐方のその後が非常
に気になる。ぜひぜひ、早い段階で続編を出して欲しいなぁ、本当に。

矢吹・魚介豚骨醤油ラーメン

本日より一泊で静岡駅周辺に滞在。
宿は北口繁華街のど真ん中、食事や買い物に非常に便利な場所。明日の現場
もそれほど遠くない。全ての宴席が終わった後、雄志で〆のラーメンへ。幸
いなことに、行きの新幹線の中で候補に挙がっていたお店が近くにあった!

らーめん 矢吹・魚介豚骨醤油ラーメン
歓楽街の中心に位置するお店で、深夜2時まで営業している。入店は深夜1時
頃だったのだが、店内にはたくさんの客が。これは期待できるかも・・・。

・・・美味い!
いや、お見事です。「魚介」を名乗っていながら、決してくどくない優しい
。それでいて後味はきっちりサカナで、スープを啜っているのが楽しい程。
更にやや太めのストレート麺は四国のうどんと錯覚するくらい喉ごしが良く、
かなり満腹だったにも関わらずしっかり完食してしまった。

そして、味を確かめたワケでは無いのだが、この近辺にかなりの数点在する
ラーメン屋はどこも美味しそう。静岡駅前、侮れないなぁ・・・。
今回の出張もまずは大当たり。静岡に行く機会があったら是非!

参考:らーめん 矢吹(RDB)

山笠ノ龍・特中華そば

昨晩、久々にかつてのホーム・浅草橋で呑んだ。
もちろん深夜に及び、かなり酔っ払った状態で駅前へ。もう3時過ぎだった
のだが、開いているお店を見つけちゃった(^^;)ので、に。

らーめん 山笠ノ龍・特中華そば
ちょっと前から存在は知っており、行ってみたかったお店に初訪問。どうや
らお得意は博多豚骨らしいのだが、呑んだ後ということで醤油味中華そば
をチョイス。「特」ということで、トッピングが多彩なのがポイント。

麺は博多風の細麺。最初はちょっと違和感があったが、やや濃いめの醤油ベ
ースのスープになかなか合う。思った以上に食が進んでしまい、気が付いた
替え玉を注文せざるを得ない状況(^^;)に。

替え玉の味が3種類あったので、辛みを加えた「辛か」をオーダー。
これがまぁ、思った以上に辛く、全く別のラーメンをもう一杯食べたかのよ
うな感覚。ちょっと得した気分。

朝4時までやっているらしいので、浅草橋で呑んだ後の〆には最適。
今度は酒が入っていない時に、看板メニュー豚骨ラーメンを試してみよう
と思いますよ、ええ。

最近のラーメン、心がけが良いのか初訪問に当たりが多い。
こういうのって意識しちゃうと続かないんだよなぁ、わりと(^^;)。

参考:らーめん 山笠ノ龍(RDB)

ブロードキャスト

▼ブロードキャスト /  湊かなえ

湊かなえの新作は、なんと驚きの「学園青春小説」
もちろん「告白」「高校教師」など、学校を舞台にした作品は多々あるのだ
が、まさかこのジャンルを攻めてくるとは・・・。

正直、最初は違和感バシバシだった。あの湊かなえが青春モノを書いている、
というのが俄には信じがたく、混乱すら覚えた。しかし、途中からグイグイと
物語に引き込まれて行く。熱いじゃん、コレ!という感じで。

舞台は高校「放送部」
有望な陸上選手だった主人公が交通事故で夢を絶たれ、流されるままに文化系
放送部に入部。そこにも「全国」を目指す世界があって・・・という、青春小説
のステレオタイプとも言える内容。信じて貰えないかもしれないが、実は僕、
文化系の部活動を殆どやったことが無い。故に描かれる世界は非常に新鮮で、
感情移入の度合いは激しくなる一方。しかし・・・。

途中でやたら不安(^^;)になった。
このメチャクチャ熱い小説はぜひハッピーエンドで終わって欲しい、と思って
いたのだが、なんと言っても作者はあの湊かなえ(^^;)。とんでもなくイヤ〜
な結末を持ってくるんでないか?と勘ぐらざるを得ない。そういう意味でも、
まぁ最後までドキドキさせてくれる作品であった。

湊かなえがイヤミス完全封印、というのはちょっと寂しくもあるのだが、こう
いう全く予測も出来なかったジャンルでしっかりと面白い作品を創り出してし
まう湊かなえも非常に魅力的。この作品の続編も含め、湊かなえの描く青春小
をもっともっと読んでみたい。

かなりの傑作。掛け値なしでオススメです!

最後の告白

▼長州力 最後の告白 /  長州 力・水道橋博士

・・・まぁ、普通だったら買わないんだよね、この人の本って(^^;)。
しかし今回は「聞き手」があの水道橋博士であり、信用している某サイトでの
評判も上々だったから、取り敢えず購入してみたのだけど・・・。

・・・いや博士、もっと突っ込むべきだった(^^;)。
各章のインタビューは非常に歯切れが悪く、どれも「告白」というレベルに達
していない気が。おそらく博士が知らぬ間に気を遣っちゃってハイスパート
持って行けなかったんじゃないか?と思われるのだが、おかげでもうスッカス
カの内容。う〜ん・・・。

残念ながら、これまでに出ている長州関連本およびその記事劣化再編集版
しか評価出来ない。僕を含むプロレスファンには信頼されている水道橋博士だ
が、この本はハッキリと失敗だった、としとく。

無駄だったなぁ、やっぱり。
相性悪いんだよなぁ、ど真ん中とは(^^;)。