闘う君の唄を

▼闘う君の唄を / 中山七里(Kindle版)

中山七里作品。
相変わらず刺激的なタイトルで、どんな凄まじいミステリーを読ませてく
れるのか?と思いきや、なんと新卒保育教師(しかも)の熱血系お仕事
物語。周囲に合わせて「流す」ことの出来ない、しかし情熱と子どもたち
に対する愛情だけは人一倍ある、我々の世界ではちょっとだけ扱いの難し
い立場(^^;)と言わざるを得ないキャピキャピ系の女性が、モンスターペア
レンツたちに立ち向かい、徐々に信頼を得ていくお話・・・と思いきや(^^;)。

さすがはどんでん返しの帝王
終盤とは言えないとんでもない場所で、あまりに予想外のどんでん返し
仕掛けてきた。正直、中山七里の作品を読むときは、どんでん返しに備え
て伏線を取りこぼさないように注意しているのだが、今回は完全にしてや
られた。序盤で「コレだ!」と思ったエピソードが全く関係無かったのだ
から、思わず苦笑い(^^;)。氏の上を行こう、という考えが非常に甘かった。

というワケで、いつも以上に凄い中山七里の世界が読めることは保証する。
しかし、今回は敢えて「壮大な前振り」部分である熱血保育教師の活躍
注目すべき。中山七里は、ある意味こういう“普通”なお仕事を書かせても
一流であることが解ると思う。

読み応えたっぷりの快作。やられた!感を味わいたい方はぜひ!