宝島の「証言」シリーズ最新作。
こないだまで”証言UWFシリーズ”だった気がする(^^;)のだけど、まぁ
応用の利きそうな企画だし、今回のテーマもなかなか興味深いのでOK。
テーマは「橋本真也vs小川直也」。
1999年1月4日、新日本プロレス・東京ドーム大会で行われたあのあま
りにも歪な試合に焦点を当て、各方面の関係者へのインタビューから引
き出した「証言」が、淡々と綴られている。下記が証言者。
第1章:小川を「取り巻いた」男たち
佐山聡、村上和成、ジェラルド・ゴルドー、X(元猪木事務所スタッフ)
第2章:橋本を「守った」男たち
山崎一夫、藤田和之、安田忠夫、加地倫三(テレ朝ディレクター)
第3章:橋本を「見守った」レスラーたち
前田日明、武藤敬司、大仁田厚
第4章:橋本vs小川「至近距離見」の目撃者たち
金沢克彦、辻よしなり、田中ケロ、上井文彦、中村祥之、永島勝司、
橋本かずみ
・・・面白かったのはやっぱりこの手の本に普段出てこないテレ朝の加地プ
ロデューサーと元実況アナの辻よしなり氏の談話。二人はテレビ局からの
視点を大いに語っており、共に橋本に対する「愛」を感じる内容。生前の
強くて豪快で面白かった橋本真也を、懐かしく思い出せた。
これに対し、小川に好意的な証言をしている人がほぼ居ない、というのは
少々寂しい気も。やり方の問題こそあれ、橋本が最後に輝いたのは、やっ
ぱり小川の存在あってのこと。橋本と小川ではキャラや人間力に大きな差
があるのは否めないが、それでも少しだけ小川直也を認めてあげて欲しい、
と思っちゃう僕はヘンなのかなぁ(^^;)。
とにかく、“UWF”という文字が外れ「証言」だけになったことで、掘り下
げられるテーマが増えた気がする。SWSやインディの本が出たら読むな、
きっと。