WOWOW・連続ドラマW、3月にオンエアされるドラマ原作がこの「絶叫」。
尾野真千子・安田顕という、かなり好きな役者陣がメインを張る、という
ことで大きく期待してるのだが、何故だかこれは先に原作を読んでおこう、
という気になった。葉真中顕作品は初読だが、以前からリコメンドにちょ
くちょく登場。いい機会だ、ということで。
・・・うわぁ、久々に来たぞ、コレ(^^;)という感じ。
いろんな意味で「重い」、そして「ヤバい」(^^;)。読後感はある種最悪、
イヤミス好きの僕なら大好物となってもおかしく無いのだが、この作品の
リアリティはあまりに凄い。人間のイヤな部分をデフォルメして書いてい
るのではなく、本当に普通の人間が陥ってしまいそうな転落劇をただただ
淡々と記述する。その様のジワジワ感に虫唾が走り、どうしても続けて読
むことが出来ない。それでも先が気になる、という恐ろしい本。
人物描写の巧みさに目を奪われがちなのだが、それが秀逸な叙述トリック
を形成。読後に改めて考えると、知らぬ間に多方面に張られた伏線がほぼ
回収されていることに気付き、感嘆の溜息を漏らした。驚愕、とまでは言
わないが、ラストの落としどころはこちらの予想を大きく覆すモノ。
読むのにパワーが必要だが、非常に良く出来たミステリーだと思います。
これはドラマ版に期待しちゃうなぁ・・・。
我らの安田顕が、どう考えても雰囲気の違うキャラをどう演じるのか?が
非常に気になるし、逆にどう考えてもこのキャスティングしかねぇだろ、
というキャラに扮する尾野真千子の演技がもの凄く楽しみ。
・・・現在、別の短編集を鋭意読書中。ちょっとハマるかも、葉真中顕。