#ラグビーワールドカップ #TBS日9
池井戸潤の新作。
大手自動車メーカーの経営戦略室のエースとして活躍していた男が、企業買収を
巡り役員と対立し左遷。異動先の工場にて同社の“お荷物”とされるラグビー部の
ゼネラルマネージャーを押しつけられる。観客動員は悪く、経費は膨大。彼は経
営のプロフェッショナルとして、この部をあらゆる面で建て直していく、という
お話。
パッとみると氏の同種の傑作「ルーズベルト・ゲーム」と似たような作品な気が
するが、モチーフが野球ではなくラグビーな分、一般の人は少し感情移入がし辛
い可能性あり(^^;)。ただし、展開はかなりスピーディー。おかげで解らない世界
でもそれなりにノリに付いて行けちゃうところが凄い。
そして、池井戸潤のビジネス小説ではお馴染みの勧善懲悪とスカッとした爽快感
ももちろん健在。思った通り夢中になり、たった半日ほどで全てを読み切ってし
まった。これはもう、さすがと言うしかない。
・・・洋ちゃん、コレかなり重要な仕事だよ、と。
この作品、TBS日曜9時枠でのドラマ化が決まっており、主演は我らが大泉洋。
あの枠での池井戸作品は正しく鉄板であり、高視聴率は間違い無い。問題無いと
は思うけど、コケないように頑張って欲しい。
そういえば9月にはラグビーのワールドカップが我が国で行われるのだが、今現
在でなんの話題にもなっていない感アリ。この作品はビジネス小説ファンを、そ
してドラマは一般層を「ラグビー」の世界に連れて来るハズ。全く盛り上がって
いないラグビーW杯だが、この作品が最強のPRツールになる気がする。
日本ラグビーフットボール協会と大手広告代理店は池井戸潤に感謝すべき。
・・・もしコレが代理店の仕掛けだとしたら、かなり見直すんだけどなぁ(^^;)。