東京12チャンネル時代の国際プロレス

#IWE #月曜夜8時 #東京12チャンネル


▼東京12チャンネル時代の国際プロレス / 流智美

米国のNational Wrestling Hall of Fameにて、ジャーナリスト部門で殿堂入り
流智美氏の作品。昭和プロレスを愛する我々にとっては「神」と表されるライ
ターであり、尊敬すべき人物。そんな流氏が(おそらく)一番思い入れを持って
いる団体、「国際プロレス」を採り上げた、入魂の一冊。

タイトルにあるように、この作品は東京12チャンネル(現テレビ東京)で国際
プロレスが中継されていた時代、具体的には1974年から1981年まで8年間
回顧録。けっして規模の大きくないプロレス団体と、当時は弱小だった関東ロー
カルのテレビ局が織りなす悲喜交々な駆け引きの様子が、克明に記されている。

本書に従って自分の記憶を掘り返してみると、東京12チャンネルの「国際プロ
レスアワー」に関しては1975年くらいからオンエアを観ていたことになる。
この頃、親には絶対に逆らわなかったハズの僕が、週3回テレビで放映されてい
プロレス中継月曜:国際・金曜:新日・土曜:全日)だけはチャンネル権
主張し、絶対に譲らなかった(^^;)。月曜夜8時にブラウン管に登場するキラー・
トーア・カマタは強烈で、小学校低学年の僕は半泣きの状態。ソレをオヤジが呆
れた目で見ていたこと(^^;)を昨日のことのように思い出す。

「洗練」という言葉からいちばん遠い位置にいたこの時期の国際プロレスは、
今でも強烈な印象として残っている。極端な話、この時期の全日本プロレス中継
は殆ど覚えていないが、国際の幾つかの中継は今でも鮮明に思い出せるのだから。

そんな東京12チャンネル時代の国際プロレスに関する書籍を、40年以上経った
令和の時代に読める幸せ。各種ディテールの細かさ・深さはさすが流智美、と言
うべき秀逸さで、資料としての価値もかなり高いと思う。

・・・吉原社長の経営方針を糾弾する場面も多々あるが、それも国際に対する愛故、
と理解する。しかし、グレート草津を良く言う人は全く居ないな、本当に(^^;)。

年を重ねても、やっぱりプロレスなんだな、僕は(^^)。