妻たちのプロレス

#ランキングしてはならない


▼妻たちのプロレス / ターザン山本・福留崇広

久しぶりのプロレス本だが、最初は購入を躊躇した
何故ならば、著者の一人が元週プロ編集長・ターザン山本だから(^^;)。
若い頃はともかくとして、年齢を重ねるとただただ鼻につくターザンの
文章。コレにカネを払うのはどうかと思ったのだけど、結局購入したの
はもう一人の著者が「さよならムーンサルトプレス」を書いた福留崇広
だったから。

プロレスラー5人の「妻」を主役の据えたノンフィクション集。
登場するのは、力道山・高山善廣・剛竜馬・葛西純・藤波辰爾、そして
ジャイアント馬場の5名の奥様方。うち4名は僕の中で「超一流」の評価
が付いているのだが、残り1名は残念ながらそうではない(^^;)。まぁ全員、
プロレス史に残る人たちなのは確かなのだが。

とにかく興味深く読んだのは、藤波夫人の伽織さんと高山夫人の奈津子
さんのエピソード。現在も闘病を続ける高山さんの奥様の力強さに感動
したし、長州に踏み台にされかけた時代の藤波さんの様子を語る夫人に
強烈なシンパシーを感じた。

コレは完全に目の付け所、つまりは企画の勝利。
プロレスラーの妻、という切り口はわりとありそうだが、人選を工夫し、
複数を組み合わせることで味が出る、という相乗効果はすばらしいと思う。

・・・ただ、福留氏だけで良かった気がするなぁ、著者は(^^;)。
馬場夫人を描いたターザン山本の文章は、気持ち悪いを通り越してかなり
バカっぽい。中学生のポエムでももう少し良い気がするんだけど(^^;)。

ちなみにファンなら一目瞭然だが、超一流でない選手の名前は敢えて書か
ないことにしようかと。さすがにちょっと気の毒なので。