#歌舞伎町ウルトラアンダーグラウンド
馳星周強化月間継続中。
衝撃のデビュー作「不夜城」に続いて読んだのは、もちろん「不夜城II」という
サブタイの続編。メインタイトルは「鎮魂歌(レクイエム)」。
前作で語り部と主役を務めた日台ハーフの劉健一の今回の立ち位置はフィクサー。
自分を追い詰めた楊偉民を始めとする歌舞伎町の中国系マフィアに対し、虎視眈々
と復讐の機会を窺う役どころである。
コレに変わり、語り部を務めるのは2人。
1人は楊偉民の飼い慣らす台湾の殺し屋・郭秋生、もう1人は落ちぶれて北京マフィ
アの手下に成り下がった元刑事・滝沢誠。全く立場の違う2人が、180度違う視点
で物語を構築。そのため、同一シーンの重複・・・双方の視点を描く・・・が見られる、
という面白い構成。
前作よりも間違いなくハードでグロテスク、そしてエロティック。
性描写のシーンは吐き気がするほど生々しく汚らわしいし、殺人や拷問の方法も
前作に輪を掛けた残酷さ。これに加え、前作ではやや稀薄だった「同性愛」の要
素が入ってくるのだから、さすがにハートの弱い人にはオススメできない(^^;)。
もちろんこの作品はフィクション。歌舞伎町には楽しいところが山ほどある、と
いうことは昔からよく知っているし、今のところ中国系マフィアの銃撃戦を目撃
した記憶も無い。にも関わらず、今は歌舞伎町に近づきたくない、と僕に思わせ
ちゃっているのが、この作品の凄いところだと思う。
ここまで来たら、完結編を読まないわけにはいかない。
毒を食らわば皿まで、ということで!