『FMステーション』とエアチェックの80年代

#番組表2週間分


▼『FMステーション』とエアチェックの80年代 / 恩藏茂(Kindle版)

表紙見覚えのあるデザインに惹かれ、思わず購入したノンフィクション。
著者の恩藏茂氏は、伝説のFM雑誌「FMステーション」元編集長

僕らの世代には確実に響く【FM雑誌】【エアチェック】というワード。
好きにレコードを買うのが贅沢過ぎた時代、楽曲を手元にとどめておく
はラジオやテレビを『カセットテープに録音』、つまりエアチェックする
のが唯一の手段。特にFM放送はナレーションを被せずに1曲を通してかけ
てくれることが多かったから、当然ヘビーに聴くようになる。そして今で
は信じられないかもしれないが、数誌刊行されていたFM雑誌の番組表には、
たっぷり2週間分、番組でかかる曲のタイトルやアーティスト名まで掲載。
故に、FM雑誌とは“なくてはならない雑誌”だったことになる。

そんなFM雑誌全盛期、後発なのに驚異の売上を誇った「FMステーション」
その編集長が語る80年代懐かしい上に魅力に溢れており、この時代を
体感出来たことは凄く“貴重”だと思った。

・・・というのは、この本を読んでいることを10歳下の後輩に話したところ、
全くピンと来ていなかった(^^;)から。生まれた時期がたった10年違った
だけで、FM雑誌の存在意義が理解出来ない、ってのは、ちょっとショック
でもあった。

この作品にはFM・エアチェック時代が終焉を迎えた原因が幾つか書いてあ
るのだが、個人的にトドメを刺したのは良くも悪くもJ-WAVEが原因かと。
バイリンガルなナレーションクロスフェードはそれまでのFMを破壊し、
録音しよう!、という気を根こそぎ削いだ。まぁ、どうしても録音したく
なるプログラムが無かった、というのもあると思うのだが。

ちなみに、僕は『FMレコパル』派(^^;)。
マンガがあったのが良かったんだよなぁ、実は(^^;)。