#MMAの始まり
▼アリ対猪木–アメリカから見た世界格闘史の特異点 / ジョシュ・グロス
以前からずっと読みたいと思っていた本をようやく入手。
日本では色々な作品で語られている【世紀の一戦】、アントニオ猪木と
モハメド・アリの異種格闘技戦を、アリ側・米国側の視点に立ち、その
実現の背景から試合内容、その後に及ぼした影響までが細かく記述され
ているドキュメンタリー。
この試合のことを考える度に、「ボクシングの”現役”世界ヘビー級王者」
が、【”真剣勝負”の他流試合】に臨んだ『奇跡』を意識せざるを得ない。
今では絶対にあり得ない状況であり、こんなことを「やりたい!」と言
える世界王者が存在するのなら、心の底から応援したいくらい。それく
らい、モハメド・アリは今を以て特別であり、唯一無二。だからこそ、
アリ側から書かれたドキュメントを、しっかり読んでみたかった。
・・・その希望は、しっかり叶った。
あの異様な試合は、アントニオ猪木はもちろん、モハメド・アリも自ら
が望んだ闘いであった、ということが感じられたのが本当に嬉しいし、
その後に世界的に発展していくUFC・PRIDEを始めとする【MMA】に
大きな影響(ほぼ反面教師ではあるが)を与えた事実も嬉しい。
解説の柳沢健氏は、この作品を「1976年のモハメド・アリ」と評した。
出来れば氏の名著である「1976年のアントニオ猪木」と併せて読むこ
とをオススメする。
なんちゃらジュニアとは、レベルが違うんだよ、アリは。