棚橋弘至という生き方

#njpw53rd


新日本プロレス『旗揚げ記念日』・大田区総合体育館大会。
すっかり恒例化したビッグマッチで、毎年楽しみにしているのだが、今日はそこ
までのれない状況NJPW WORLDの生中継を確認した。

メインイベント、IWGP世界ヘビー級タイトルマッチ
王者後藤洋央紀に挑んだのは、なんと新日本プロレスリング(株)代表取締役
社長・棚橋弘至。来年1月4日・東京ドームでの引退を表明している棚橋にとって、
おそらく“最後”IWGP世界戦となる。

・・・棚橋は、踏ん張ったと思う。
満身創痍な上に、多忙なデスクワークでまともに練習も出来ていないハズ。
そんな状態でも“勝ってしまう”選手は存在するのだが、そういう説得力の無さ
いちばん嫌うのが棚橋弘至というプロレスラー。この試合で棚橋が勝ってはなら
ない、というのは、ファンなら皆解っていた。

今出来ることを全てやり、見事に敗北して魅せた棚橋。
おそらく今後はタイトルマッチに絡むことも、そしてメインに登場することも
無い気がする。

通常オンエアには乗せない、敗者へのバックステージインタビュー
ここでの棚橋のコメントを聞いていたら、本当に涙が止まらなくなった
あと約9ヶ月で、本当に棚橋弘至はリングから消える。その事実を突きつけられ
たようで、胸が痛くなった。この痛みに耐えながら、最後まで棚橋弘至の生き方
を見つめなければならない。それが、棚橋弘至に対する礼儀だと思うので。

Mistico vs Averno

#14Years


新日本プロレス『CMLL FANTASTICA MANIA 2025』最終戦・後楽園ホール大会。
今年のファンタスティカマニアは昨日・今日の後楽園ホール大会しか配信が無く、
憤った件はこの前書いた通り。

メインイベントは王者のミスティコアベルノが挑戦したMLW世界ミドル級タイ
トルマッチ。日本での一騎打ちは第一回目のファンタスティカマニア以来、実に
14年ぶり。この二人はいわゆる“鉄板”の組み合わせ。グラン浜田とペロ・アグア
ミステリオJr.とシコシスのような関係、と言えば解りやすいか?

とにかく、アベルノ老獪上手い
コレは今に始まった話ではなく、初来日した頃から既に老獪で上手かった(^^;)。
プロレスラーとしての力量は誰もが認めるところ。前半は完全に試合を制覇して
魅せたのだが・・・。

ミスティコもやっぱり凄かった
もう40を超えているハズなのに、独特の浮遊感を伴う空中殺法は今も健在。
多くのハイフライヤーたちが年齢と共に空中殺法のセーブを余儀なくされている
中で、ミステリオJr.グレート・サスケ、そしてこのミスティコは飛ぶことを諦
めていない。そういう生き方も凄い、と素直に思う。

試合は必殺技のラ・ミスティカを極めたミスティコの逆転勝利。
MLW王座の防衛に成功したが、この二人のベテランが創り出した極上のルチャワ
ールドだけでもうお腹いっぱい。凄い試合を魅せてくれた事を、本当に感謝する。

そして最後は恒例の大団円・・・なのだけど、やっぱりシリーズ中継が2試合しか無
い、というのは納得が行かない。来年はぜひ全戦中継を。このためにWORLD
契約しているんだから、僕は(^^;)。

Prime Video Boxing 11

#BIG BANG


楽しみにしていたボクシングのビッグマッチ『Prime Video Boxing 11』
今回は世界タイトル戦2試合、そして那須川天心世界前哨戦が1試合。
先に結論を書く。ボクシングのおもしろさが全て詰まった、すばらしい興行
あった!

まずはWBA世界バンタム級選手権王者堤聖也に挑んだのは、元WBC世界
フライ
級王者比嘉大吾。そもそもこの二人は親友同士であり、妙な和やかさ
あるまま試合開始となった。

・・・いや、スゲェ
正直、1Rから8Rまでの攻防だけでも神懸かった試合内容。偶然のバッティング
で負傷した王者・堤がかなり不利な状況ではあったが、恐ろしい精神力で対応。
比嘉も傷口狙いを躊躇しない。この段階で、今年のベストバウト!と思ったの
だが・・・。

9Rダウンの応酬
最初にダウンを奪った比嘉がそのまま勝ち切るかと思ったのだが、ラウンド内
で堤がダウンを奪い返す。何が彼らをそうさせたのか、皆目見当が付かない程
削り合い。こんなに泥臭くて熱い試合、本当に久しぶりに観た。

判定の結果、ジャッジ全員がドローを付ける、という驚愕の結果
堤はタイトル防衛を果たしたが、試合後のインタビューでも悔しさを隠さない。
対する比嘉は、判定が出ると潔く退場。最後の最後まですばらしい二人だった。

続いて那須川天心世界前哨戦。対戦相手は武居由樹に敗れた前WBOバンタム
級世界王者で、井上尚弥との対戦経験もあるジェイソン・モロニー。天心が初
めて闘う「世界レベル」の選手である。

結果は10R判定3-0天心勝利
この判定は物議を醸しているが、個人的にはギリギリ天心が勝利していたと思
う。でも、例えばこの試合がオーストラリアで行われていれば、モロニーが勝
っていてもおかしくなかった、とは思う。それだけ接戦であったのは間違い無
いのだけど、あのモロニーと10Rを闘い抜いた6戦目の選手、という存在、よく
考えれば恐ろしいと思う。

メインは“NEXT MONSTER”から“BIG BANG”に異名が変わったWBC世界バンタ
ム級王者中谷潤人が、同級6位、メキシコのダビド・クエジャルの挑戦を受け
た。クエジャルは28戦28勝18KO、これまでダウンの経験は無く、中谷よりも
長身でリーチもやや長い。今のバンタム級では最強の挑戦者、という触れ込み
だったのだが・・・。

・・・呆然とした
初回に二人がコンタクトした瞬間、実力差は明白に。中谷の佇まい「強さ」
はもちろんだが、背筋が凍るような「怖さ」もある。3Rで魅せたコンビネーシ
ョンは正しく恐怖であり、テレビの前で完全に沈黙してしまった。

この段階で言うのは憚られるかもしれないが、敢えて。
・・・もしかしたら、いま日本でいちばん強いボクサー中谷潤人なのでは??
怪物に引導を渡す選手が居るとすれば、もう中谷しか考えられない。一線を超
えたプロボクサーが二人も存在する時代を生きられて、僕は幸せだ。

PANTERA vs KAMEDA

#三つ子の魂、しかし・・・


最もアメリカに近いメキシコ、ティファナで行われたボクシングの試合。
井上尚弥惨敗を喫したあの“悪童”ことルイス・ネリ再起戦で、対戦相手は
なんと日本の亀田京之介124ポンド契約ノンタイトル戦。これがabema
生中継されたので、帰宅してからアーカイブを確認してみた。

正直言うと、ネリ京之介もハッキリとキライなボクサー(^^;)。
どちらも応援する気は無かったし、どちらが負けてもそれはソレでザマァ、と
いう試合だと思っていたのだが・・・。

ネリの完全なワンサイドゲーム。的確に強烈なパンチをまとめ、主導権を渡さ
ない、という格上感たっぷりな内容。しかし、驚いたことに京之介は被弾しな
がらも前に出た。何より、6Rまでダウンしなかったのはちょっと・・・。

バッティングで両目尻をカットし、防戦一方となった京之介は7Rで力尽きた。
ただ、強い弱いはともかくとして、京之介はこれまでの亀田家ボクサーたちと
一味違う個性をアピール出来たかも。あの従兄弟たちと比べれば、圧倒的に
「おもしろい試合」を魅せたのだから。

・・・とはいえ、京之介が世界戦線に立つことは無いんだろうなぁ、とも思った。
ボクシングでは無い何か、なら可能性ありそうなんだけどな、この選手・・・。

FANTASTICAMANIA2025

#酷い仕打ち


毎年2月恒例、新日本プロレスCMLLのコラボ興行『FANTASTICAMANIA』
本日実家滞在中に今日が開幕戦だ、ということに気付き、帰宅して夜遅くに
NJPW WORLDのアーカイブを観ようと思ったのだが・・・。

・・・なんと、開幕戦の中継が無い(–X)。
いやそれどころか、全8戦のスケジュールのうち、配信があるのは後ろ2つ
後楽園ホール大会のみ。コレはあまりと言えばあまりな仕打ち

僕の中では、春のNJCや夏のG1と同じくらい重要なシリーズファンタスティ
カマニア。そういう風に思っているルチャマニアはそれなりに居るハズで、こ
のシリーズの為にワールドを契約している人もきっと・・・。

ちなみにワールドに開幕戦のダイジェストが上がったが、おそらくスマホか何
かで撮影された取って付けた様なモノ。よっぽどクレームが入ったんじゃない
かなぁ、と思われる。

今からでも遅くない!
全部とは言わないが、大阪大会・幕張大会くらいは撮影班を入れて、若干ディ
レイになっても良いので配信して欲しい。サイアク解説とか要らないので。