ギラギラ幸福論 黒の章

#世界一性格の悪い男


▼ギラギラ幸福論 黒の章 / 鈴木みのる(Kindle版)

【白の章】から続く鈴木みのるインタビュー集
2019年から先の話題かと思いきや、これまでの書籍でカバーしきれなか
った「KAMINOGE」のインタビューをまとめたモノらしい。従って年代は
多岐に渡っている。

続きモノを期待していたのでちょっと残念ではあったのだが、新生UWF
藤原組パンクラス時代の話が出てくるところがポイント。昔のことをあ
まり喋らない鈴木だが、ただ懐かしさに訴えるのではなく、しっかり近年
の動きと絡めたエピソードにしていることに思わず感心してしまった。

ここ2〜3年の新日本プロレスは、しっかりと新陳代謝が進んでおり、僕と
同年代の選手は皆「窓際」に追いやられている。功労者と言って過言の無
永田・天山・小島あたりも基本は前座であり、それがやや寂しかったり
するのだが、鈴木だけは違う。今もしっかりタイトル戦線に絡むし、一度
は外されたG1クライマックスにも再び出場している。こうなったら鈴木が
どこまで第一線で活躍出来るか、最後まで見届けたいと思う。

諦めちゃいけないんだよな、本当は・・・。解ってはいるんだけど・・・。

ギラギラ幸福論 白の章

#世界一性格の悪い男


▼ギラギラ幸福論 白の章 / 鈴木みのる(Kindle版)

名著「プロレスで〈自由〉になる方法」続編
こちらも雑誌「KAMINOGE」の連載をまとめたモノで、時期的には著者の
鈴木みのるがNOAHのリングを去って新日本に戻って来た2018年頃の話題
が中心となっている。

鈴木みのるの口調は明らかに皮肉に満ちており、普通の人が読んだ場合は
けして気持ちの良い表現では無い気がする。誤解を恐れずに言うと、多く
の人が「お前何様?」的な感覚を持つと思うのだが、鈴木みのるという男
をずっと観て来た我々は全く文句が言えない。いや、もちろん鼻に付く発
言は多々あるのだけど、それでもそれらを完全に否定することが出来ない。

とにかく鈴木みのる、本人はけして周囲にそう言われたくないだろうけど、
間違い無く「頑張っている」。この世には僕を含めてこの単純なことが全
く出来ないヤツが殆ど。それが解るからこそ、鈴木の発言には「説得力」
が溢れる。ぐうの音も出ない程に。

コレは紛うこと無きプロレス本。でも、「現状維持を目指したら緩やかに
落ちて行くだけ」とか、「世界一になるのを諦めることを止めた」とか、
誰かの人生に影響を与えそうな言葉を幾つも発見出来る。もし可能ならば、
僕も鈴木みのると同じような気持ちで残りの人生を過ごしたいのだが・・・。

この本は上下巻であり、まだ【黒の章】を残している。
次を読み終わった時、もしかしたら啓発されている可能性アリ。
やっぱ鈴木ってすげぇわ・・・。

ROMANCE

#宮本浩次 #魔性


▼ROMANCE / 宮本浩次(通常版)

案の定、年末から下手すれば毎日聴いている宮本浩次カバーアルバム
全楽曲のオリジナルは全て女性ボーカル。コレらをエレカシ・宮本が、
完全に独自の世界観にアレンジ最高に痺れるアルバムに仕上がっている。

このアルバム、間違い無く僕の2020ベスト。いや、もしかしたら2021
もベストになりそう。とにかくハマリ具合が半端なく、家でもクルマでも
電車でも爆音再生しているくらい。

前にもちょっと書いたのだが、このアルバム楽曲のオリジナルの中には、
生理的に好きでない曲が何曲か含まれている。しかし、そんな歌でも宮本
が歌うとやたらゾクゾク来るのだから凄い。

参考までに、↓↓にオリジナルのプレイリストを作ってみたので、さわり
だけ聴いて貰えると良いかも。一部、中島みゆき桜田淳子だけど(^^;)。

これまでカバーアルバムの傑作と言えばRC SUCCESSION「Covers」と、
THE STAR CLUB「God Save The Punk Rock」だったのだが、その2枚に
勝るとも劣らないインパクト。

しばらく邦楽はこのアルバムだけで良い。最高だな、コレは。

ONE PIECE #1000 「麦わらのルフィ」

#ONEPIECE1000LOGS


1月4日売り週刊少年ジャンプ・2021.5-6合併号
『ONE PIECE』、記念すべき第1,000話のタイトルは「麦わらのルフィ」

発売日にジャンプを買い、それ以降もう繰り返し100回は読んでいると思う。
1,000話到達記念のエピソードは、これまでのワンピースのエッセンスが全
て詰まった、あまりにも相応しいエピソードである。

物心がついた頃から、ずっとマンガを読んできた。
でも、1,000話を超えるような壮大なストーリーマンガに出会ったのは、
おそらくコレが最初で最後になると思う。

ルフィの【夢の果て】は、見られるかどうかが本当に微妙
それでもこのタイトルの付いた1,000話を読んでいると、そこまではなんと
か頑張ってみよう、という気になる。

ワンピースがあって、本当に良かった。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

#This is the Mystery!


▼ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 / 東野圭吾

11月末日に発売されていた東野圭吾新作
実は発売日近くに買い、その日から読んではいたのだが、ギターの練習(^^;)
に時間を取られ、珍しくロングラン読書になってしまった次第。

久しぶりに「王道」と言えるミステリー
絶対的な【探偵】役が存在し、ソレに翻弄されながらも一生懸命に動きつつ、
語り部をこなす【助手】役が居る。誤解を恐れずに言えば、シャーロック・
ホームズ的、非常にトラディショナルなミステリー構成なのだが、それらを
現代的なアイテムに見事にアダプト。この手法は正に「絶妙」、怪しい人間
が何人も出てくるのだが、僕のスキルでは最後まで全く犯人が解らない
久しぶりに「ミステリー」を堪能させていただいた。

何よりも主人公が魅力的。
設定「ラスベガスでも評判を呼んだ元マジシャン」で、ケレン味たっぷり
のいかがわしくもクレバーな男。捜査過程で時折マジックを仕掛けるのだが、
その描写はまるで目の前でマジックを見ているかのような臨場感。もしかし
たら、東野センセには今マジックブームが来ているのかもしれない、とか思
った。

ある意味で東野圭吾の最も魅力的な部分が詰まった【ザ・ミステリー】
気合いの入ったミステリーが読みたい人は、是非ご一読いただきたい。

・・・シリーズ化、あるかも。
この一作で終わらせるには勿体ないキャラクターが少なくとも1人は居るし。