続けて黒野伸一作品をもう1作。
今度はもうタイトルからして何かあるとしか思えない「本日は遺言日和」
をチョイスしてみた。どんな日和だよ、とやや突っ込みつつ(^^;)。
かんたんに言うと、「遺言書を書くためのツアー」に参加した客数名と
このツアーを企画したイベント会社新人のお話。
なかなか企画の通らなかった新人女性社員。彼女が初めて通した企画書
は「遺言ツアー」。美味しいお料理と温泉でリラックスしながら、ゆっ
くり遺言書を書く、という内容で、アドバイザーとして司法書士やカウ
ンセラーも参加する本格的なモノ。しかし、コレに集まった人たちは皆
一癖あって・・・という感じ。
「遺言書」に着目したところがすばらしい、と思う。
基本、死期が迫ってから書く、のが遺言書だと思っていたが、どうやら
そうでは無いようで。そして、コレがある・無いで、遺族の徒労の量が
違ってくる、という事実が非常に良く理解できる。
そして遺言書は、単なる遺産分配用紙ではなく、面倒を見てくれた人た
ちに伝えなければならないことを記しておける重要なアイテムであるこ
とを知った。いや、マジでいろいろ参考になったかもしれない。
ただ、ここに出てくる「イベント会社」っつーのが、なんか普通に腹が
立つ。こういうツアーを考えるのは基本旅行代理店なハズ。となると、
旅行代理店のハウスか。っつーといろいろやられたあの会社を思い出す。
ま、個人的な事だからどうでもいいけど(^^;)。
そしてこの人の本、表紙がいつもステキ。
この表紙の風景をちゃんと覚えておいてから読み始めると、いろいろ
グッとくるかもしれない。
遺言について真面目に考えようとしてる人には超オススメ。
そうでない人も、コレを読めばきっと考えたくなる気がするな・・・。