Kindle Unlimitedよりチョイス。
夏目杏子、著作はこの作品しか発見出来ないので、おそらくインディ系。
表紙のデザインと煽り文から、いわゆるコテコテの“不倫系”の作品を想像
していたのだが、それは半分アタリで半分ハズレ。不倫の要素も一応入っ
てはいるのだが、コレは完全に「ファンタジー」にカテゴライズされるべ
き物語である。
目次を見ると全9話。かなりの長編と思ったら意外とそうでもなく、気が
ついたら読了している、という良い意味でコンパクトな作品。ストーリー
が展開する部分は不覚にもちょっと驚いた。「そう来たか!」という感じで。
ただ、いくつか問題も。
展開を付けてからの流れがやや冗長に感じるし、説明アイテムに“日記”を
持ってくるのも今どきちょっと無理がある。後半が無ければ物語としての
ボリュームを保てない、という判断だと思うのだけど、短くなることを恐
れなくてもそれなりの清涼感を以て終われた気がするのだが・・・。
あとはもう個人的な問題で、大阪弁がちょっと(^^;)。そこはまぁ好き好き
だと思うんだけど。
とはいえ、イヤミが無くストレートな文体にはかなりの好感。
次の作品、ちょっと期待してます!