Episode of East Blue

本日オンエアの「ワンピース エピソード オブ 東の海(イーストブルー)」
原作20周年を記念し、初期のエピソードをHDダイジェストリメイク
イーストブルーから登場した5人の「始まり」を、見事な端折り方で2時間に
収めてくれた。

まぁ、ウソップ海賊団の解散シーンとか、個人的には入れるべきシーンが他
にもあった気はするのだけど、一作品としてのまとまり方はこれまでの同種
の編集版の中ではかなり優秀。違和感なく観れました!

予想通り、ウソップ・サンジ・ナミのエピソードでは随所で号泣(^^;)。
特にベルメールさんのあたりはマジでヤバい。あそこは何度観ても・・・。

ワンピースは連載開始から20年が経過した今でもそれほどテンションが落ち
ていない、というのが凄い。出来ることなら、最終回を確認してから死にた
いのだけど、無理かもしれないな、もしかしたら・・・。

long range

▼ロングレンジ / 伊坂幸太郎(Kindle版)

伊坂幸太郎のシングル。
書き下ろしの「ロングレンジ」に、名作「アイネクライネ」をカップリングし
ロックンロールテイストに溢れた作品。

・・・という、まるで一流アーティストの最新CDのレビューみたいな書き出しが
可能なのが伊坂幸太郎の特別なところ。ついでに言えば、Kindleシングルなの
にUnlimited対象になっておらず、有料配信オンリー。ビジネスモデルとして
ソレが成立するところも、伊坂幸太郎という特別扱いされるべき作家の真骨頂
だと思う。

アイネクライネは以前読んだ「アイネクライネナハトムジーク」でレビューし
ているので、今回は新作短編「ロングレンジ」にフォーカス。

氏の作品としては珍しく女性が主人公。
そして、登場人物の誰もがいわゆる「フツーの人」である、というのも異色。
しかし、描かれる世界は完璧な伊坂幸太郎の世界であり、シニカルなユーモア
に溢れたヒューマンミステリーに仕上がっているところが凄い。

もうこの人はどんなジャンルの文章を書いても面白いんじゃないか?と思う。
小説やエッセイはもちろんのこと、なんなら詩とか、下手すれば新聞記事とか
進行台本とか、もしかしたら家電製品の説明書なんかでも、伊坂幸太郎が書い
た文章なら絶対にニヤニヤ出来る自信があるなぁ、今現在。

そして前にも書いた覚えがあるのだが、伊坂幸太郎はKindleシングルをもっと
短いスパンでコンスタントに出すべき。書き下ろしの短編はファンを狂喜させ
るし、初めて伊坂幸太郎に触れる読者もカップリングで過去作品にも触れるこ
とができるのだから、効果は絶大。そしてファンならちゃんと「アルバム」
購入する。心配せずに毎月どーぞ!

ラミネーター

いろいろあって“遂に”購入したパーソナルラミネーター
“遂に”を強調したのは、本当に”遂に”だから。なんつったって最初に強烈に欲し
い、と思ったのは、もう28年も前なのだから(^^;)。

というか、こういう仕事をしているにもかかわらず、どうして今までコレを所有
していなかったのか?という疑問はある(^^;)。だいたい一緒に仕事してくれる
他の会社が備品として所有しており、ソレを拝借することで事が足りちゃってい
たのが原因なのだけど、普通は持ってるよなぁ、やっぱり(^^;)。

今回の主な購入目的は舞台で使用する小物を製作するためだったのだけど、
28年待たされた反動(^^;)は大きく、写真やらなんやらでやたらテスト。インク
ジェットプリンターで出力した写真とかは当然ながらラミネートしとくと長期で
保存できる。ただまぁ、あっという間に飽きた(^^;)。以降はほぼ業務で使用する
ことになりそう。

で、28年前からやりたかったのが↑↑をラミネートすること。
コレは1989年9月24日アメリカ・ワシントンDCRFKスタジアムで行われた
THE ROLLING STONESのコンサートチケット。こういう記念チケットの類いは
殆ど捨ててしまっているのだけど、僕の最初の海外、しかもストーンズのチケッ
トだから、コレだけは捨てずに所持していた。印字はやや色褪せ、シミも浮いて
いるけど、こうしとけばずっと保管しておける。遅まきながらだけど(^^;)。

ところで、僕の購入したのはナカバヤシQUICK LAMI A3
何も考えずに手頃な価格(5,000円程度)のモノを買ったのだけど、正直言えば
失敗だった(^^;)。違うメーカーのヤツの方が良いと思うな、きっと。

探偵が早すぎる(下)

▼探偵が早すぎる(下) / 井上真偽(Kindle版)

わりとさっくり読み終わった井上真偽「探偵が早すぎる」下巻
上巻から舞台は転換。亡き父より5兆円の遺産を受け継いだ主人公の女子高生が、
亡き父の四十九日法要の日に、自らの命を狙う親族一同と対峙する、という、
言わば一点集中型の物語へシフト。矢継ぎ早にあの手この手で「事故死に見せか
けた暗殺」を企てる血縁者たちの企みを、基本実行される前(^^;)に悉く潰して
いく「早い探偵」の活躍が描かれている。

上巻でも感じたように、トリックの作り込みはなかなかすばらしい。
特に最後の刺客が計画した暗殺は正しく「コロンブスの卵」的な発想であり、
なんでソレに気付かない??、と自分を責めたほど。ミステリーのお手本と言っ
て過言の無いレベルだと思う。でも・・・。

これはもう好みの問題だと思うのだけど、中途半端なラノベ臭さが最後まで抜け
なかったのがちょっと残念。この作家、そういう部分はサクッと捨てて、いわゆ
「本格ミステリー」の道に進むべきだと思う。前述した通りトリックは優秀だ
し、説得力も充分。もしかしたら他の著作にはそういうものがあるのかもしれな
いけど。

上下巻合わせるとそれなりの長編になるのだが、それほど読むのに苦労しない
イプのミステリー。アレっぽさが気にならない人には良いと思う次第。個人的に
ちょっと惜しかったかな、やっぱり。

探偵が早すぎる(上)

▼探偵が早すぎる(上) / 井上真偽(Kindle版)

読むべき本がなくなるエアポケット状態。ここは軽いミステリーを読もう、
ということでKindleストアのリコメンドをチェック。タイトルだけを確認して
あ、コレ読もう!ということで購入した作品。しかし・・・。

実は完璧な勘違い(^^;)。
東川篤哉の新作だと信じて疑わなかったんだよね、タイトルの雰囲気から(^^;)。
つまり、抱腹絶倒系ユーモアミステリーが読める、とばっかり思っていたの
だけど、作家から内容から全然違っちゃった、ということ。ソレに買ってから
気付いたのだから、読む前にまず乾いた苦笑いが出た(^^;)。う〜ん・・・。

それでもまぁ、せっかく手に入れたのだから読んでみた。
井上真偽という作家はもちろん初めて。狙いとしては作り込まれたミステリー
の中にちょっとした笑いを散りばめる、という感じ。実際、ミステリーの組み
方は綾辻行人ばりの本格派で、トリックもかなり優秀だと思う。著者プロフィ
ールによるとなんと東大卒。なるほどなぁ、と思った。

しかし、問題点もいくつか。
まずはキャラクター初期設定荒唐無稽過ぎて、リアリティの類が一切感じ
られない。さすがに総額で兆を超える遺産を相続した女子高生身内から命を
狙われる、とか言われても全くピンと来ないし(^^;)。そして、キャラクター
氏名とか、ややバタバタする物語とか、そういうところに・・・あの・・・なんと
いうか、ラノベ臭(^^;)を感じてしまう。苦手っちゃあ苦手なんだよなぁ、こ
ういうの。

ただ、上巻だけ読んで終了、というワケにはいかない作品であることも確か。
総合的な評価は下巻読んでからだな、うん。