ヴィジュアル・クリフ

#エンマ様


▼ヴィジュアル・クリフ / 佐藤青南(Kindle版)

佐藤青南行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第6弾
羽田空港の待合室で読み始め、沖縄に到着した頃には読み終わってい
た、という超速読を達成(^^;)。まぁ、単純に空港に早く着きすぎた
のが原因なのだけど。

今回のエンマ様の対戦相手はかつての恩師。自らが学んだ師の仕掛け
「自分を犠牲にしたマインドゲーム」に真っ向から挑み、これを打
破していく物語。あのエンマ様でもいわゆる「身内」に対しては苦悩
するのか、と驚いたのだが、コレに対する「カタの付け方」が相変わ
らず痛快この上無い。これまたオススメの作品。

さて残すところ一冊
間違い無く佐藤青南強化月間ではあるのだが、5冊を10日間で読んじ
ゃいそうなのはある意味痛恨。ラストくらいはゆっくり読もう!

ストレンジ・シチュエーション

#エンマ様


▼ストレンジ・シチュエーション / 佐藤青南(Kindle版)

佐藤青南行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第5弾
「美人過ぎる取調担当捜査官」しかし「何回目かの28歳」(^^;)こと
楯岡絵麻、通称エンマ様の痛快ミステリー。

今回は初期段階から絵麻チームの「仮想敵」とされていた、同じ捜査
一課の筒井・綿貫コンビが、緩やかにベビーターンして行く回。その
所為かいつもに比較して物語がやや重くなっている

基本は連作短編の体。
冒頭で自責の念にかられた警察官ピストル自殺することから物語は
展開するのだが、その警官が「何故自殺せざるを得なかったのか」
ゆっくり解決されていく。ミステリーとしての読み応えはこれまでで
一番と言って良いくらい充実しており、各々の「警察官で在るが故の
苦悩」が滲み出る良作である。

この作品でがさらにしっかりして来たこのシリーズ。あと2冊なん
てすぐ読んじゃいそうなんだけど(^^;)。

憧夢超女大戦 25年目の真実

#闘強憧夢


▼憧夢超女大戦 25年目の真実 / 小島和宏

最近「XXの真実」というタイトルのプロレス本のリリースが多い。
令和に入り、プロレスファンの「入れ替わり」を意識せざるを得な
い今日この頃。そうなるとかつてのある種偏執的とも言えるファン
懐古に走るしか無くなる。かく言う僕もその1人なのだが(^^;)。

そんな中、興味深いテーマの本が発売された。
アイテムは94年に行われた全日本女子プロレスの東京ドーム大会
いわゆる「対抗戦ブーム」の象徴とも言える興行と、その大会が行
われるまでの経緯を克明に描いたノンフィクションである。

著者の小島和宏とは、その時代に週刊プロレスで女子プロレスを担
当していた記者。この人が居なかったらインディブーム女子プロ
対抗戦ブームも起こらなかったのではないか?と言われる程のキー
マンである。

僕が女子プロレスを真剣に観ていたのはこの時代のみ。
主に神取忍・風間ルミを中心とするLLPW勢を強烈に応援しており、
いちばんいけ好かない存在だったのが北斗晶であった。実際、オン
ナ同士の意地の張り合いは掛け値無しで面白く、それが小島記者の
煽りでさらに盛り上がっていた、異様に熱い時代だった。

小島氏の文章は本当にこちらにスッと入ってくる。
あの頃読みまくった週プロの記事は多々あるが、印象に強く残って
いるのは小島氏と鈴木健氏の記事が殆ど。僕らの週プロとは正しく
小島&鈴木健であり、そのうちの1人がまとめた文章が面白く無い
ワケが無いのは当然である。

もちろん僕もこの全女ドームを観に行ったのだが、試合よりも客席
のハチャメチャさがやたら面白かった印象。当然満員にはほど遠い
客入りで、外野席はゆったり。僕の席の側では明らかに「鍋」をや
っている集団があり、彼らと爆笑しながら長時間の興行を楽しんだ。
ただ、翌日に外せない仕事があり、23時過ぎ(^^;)に終了したメイ
ンイベントは最後まで観ていない、というのも覚えている。

すげぇ団体だよな、全女って(^^;)。
おそらく最初で最後の開催となった女子プロレスのドーム大会を、
しっかり検証すべし。面白いよ、コレ。

さらば闘いの日々

#ブルータス光秀


▼さらば闘いの日々 / 谷津嘉章

糖尿病が原因で片足切断を余儀なくされたプロレスラー、谷津嘉章
初の著書。実はこの本、リリースを知らされた時からちょっと期
待していた作品。最近のプロレス関係の諸誌で読む谷津のコメント
が非常に興味深く面白いものばかりなのがその原因なのだが・・・。

根本的なことを言うと、谷津嘉章というレスラーには全く思い入れ
を持っていない日本アマレスヘビー級最強とまで称された男だか
ら、強いことは間違い無いし、プロレス自体も決して下手では無い。
ただ、本書で本人も述懐している通り、その印象はいつも中途半端
その証拠に、これだけ長い間プロレスを観ているのに、谷津の試合
「名勝負」と感じた試合がただの1試合も無いのだから。

正直、この本の構成にもその「中途半端さ」を感じた(^^;)。
例えばWJに関する件についてはもっと突っ込んで喋って欲しかっ
たし、谷津ほどのボキャブラリーがあればソレが出来た気がする。
だけど・・・。

谷津嘉章
とにかく「気の毒」としか言い様の無いアマレス・プロレス人生。
メダル確実と言われたオリンピックは国がボイコットするし、プ
ロレスデビュー戦ではあり得ないくらいボロボロにされるし、凱
旋帰国したと思ったら維新軍に組み込まれるし、総合格闘技に出
る頃には年取ってるし、と一事が万事でそんな状況。コレに加え
WJの歴史的な大失敗、さらには後に起こした事業の失敗に加え、
壮年を過ぎてからの片足切断。これがもし自分だったら、と考え
ると、本人には申し訳無いが「死にたくなる」と思う。

それでも全てを受け入れ、今も必死に生きている事実はリスペク
に値する。これまでは好きでも嫌いでもないプロレスラーだっ
たのだが、この本を読んだ後はけっしてキライでは無いところま
で心が変わった。谷津嘉章の今後に、光があることを切に願う。

・・・あ、印象に残っている試合が1つだけ。
正規軍vs維新軍5vs5勝ち抜けマッチ高田伸彦戦。後に延彦
と名前を変える高田の出世はここから始まった。おそらくこの時
の高田の対戦相手が谷津でなかったら、その後の高田は無かった
気がする。良かった、1試合でも見つかって(^^;)。

アンタッチャブル、最高の復活劇!

#十年一昔


先週金曜日オンエアのフジテレビ「全力脱力タイムズ」にて、最高の
サプライズが勃発。ゲストのアンタッチャブル柴田英嗣が、番組終盤に
同じくゲストで出演した新木優子のリクエストに応える形で漫才をする
ことに。最初に登場したのは俳優の小手伸也だったのだが、ネタが飛ん
だことを司会の有田哲平が一喝。代わりに登場したのは、柴田の本当の
パートナーであるアンタッチャブル山崎弘也であった。

・・・不覚にも涙が出た
関東最強の漫才コンビと言われたアンタッチャブルだが、柴田の不祥事
約10年の空白を余儀なくされた。今となっては不祥事の内容が何かす
ら覚えていないくらいだから、当然もう禊ぎは済んでいる。ザキヤマ
高等なボケに、強烈過ぎる柴田のツッコミM-1王者・アンタッチャブ
の復活は最高の舞台で突然成し遂げられた。

やる、と決まった瞬間にジャケットを脱ぎ捨て、最高の笑顔でモードに
入った柴田。いつもの通りボケるザキヤマの瞳が、ちょっとだけ潤んで
いるように見えたのは僕だけなのかなぁ・・・。

アンタッチャブルは12月8日放送の「THE MANZAI 2019 マスターズ」
にて新作漫才を披露する模様。アンタの大復活を、心から祝おう!