縄紋

#イヤミスの教祖 #新境地


▼縄紋 / 真梨幸子

真梨幸子の新作。遅れて販売される予定の電子書籍が待ちきれず、ソフ
トカバーの単行本を購入。手にするとかなりの。読むのに何日かかる
のか、と思いきや・・・。

・・・コレが正解かどうかは解らないが、なんと歴史ミステリー
それも、日本史の始まりとされる縄文時代にフォーカスしてきたところ
でまず度肝を抜かれた。縄文、そもそも中学以降の授業でも殆ど触れら
れない時代であり、知っていることと言えば土器竪穴式住居くらい。
普通は興味が持続出来ない題材だと思う。

が、読み進めるウチにその壮大なテーマから目が離せなくなってしまっ
たのだから凄い。この作品の中では「神社」が重要なアイテムとなって
おり、現存するモノも多数登場するのだが、それらに関する取材の細か
さが半端でない。思わず「ハァ〜・・・」と唸ってしまうような情報が多々
出てくる。女史の作品でこういう気分になったのは初めてかもしれない。
タイトルの「紋」の文字にも当然意味があるので念のため。

そして、最近更に研ぎ澄まされているミステリー要素、今回は凄まじい
までのどんでん返しが披露される。終盤で全体像が見えた段階で不覚に
息を呑んだ。結果、約2日で読破。この作家、やっぱり只者では無い。

もちろん教祖としての立場も忘れず、全編に渡って細々したイヤミス
展開される。熱狂的な真梨幸子信者の皆様の期待も全く裏切っていない
ので、同朋の皆様もどうぞご心配なく。真梨幸子ワールドでいちばんと
言っても良い壮大な作品、どうぞお楽しみあれ。オススメです!