弥勒世(下)

#沖縄返還前夜


▼弥勒世(下) / 馳星周(Kindle版)

馳星周アンリミテッド、ようやく弥勒世下巻読了
長編、もしくは長期シリーズが多々ある馳星周だが、このボリュームはちょ
っと異常(^^;)。無論、いたずらに長いワケでは無いのだけど・・・。

沖縄というけして大きくない島の話なのにも関わらず、ありとあらゆるキャ
ラクターが登場し、になり、味方になり、その上で死んで行く、という救
いようのない物語。特に、物語の主役級のうちの数名が下巻の前半から中盤
バタバタ死んで行くのは、馳星周の真骨頂。それでも物語と時系列は破綻
せず、恐ろしく空虚なラストに向かって突っ走って行くのだから凄い。

正直、あまりの長さでもうお腹いっぱいではあるのだが、相変わらず骨太で
男臭いザ・ノワール。生きている場所も、時代も、立場も何もかも違う筈の
僕が、主人公のアナーキストぶりに何故だか共感してしまう。もし生まれ変
われるとするなら、僕の脂の乗った時代をココ、高度成長開始時の日本にし
て欲しい。得体の知れない高揚感を味わえそうなので・・・。

・・・さすがにちょっと大長編はお休み(^^;)したいところ。
次はもっとカンタン系の作品をチョイスしようかと。まぁ、タイトルだけを
頼りにしてたら結果は同じかもしれないけど。