藻屑蟹

#山渓釣り


▼藻屑蟹 / 赤松利市 (Kindle版)

『鯖』に衝撃を受けたので、まずはUnlimited扱いになっている赤松利市
作品を物色したところ、ソレに該当したのがこの作品。

東日本大震災に被災し、多額の補助金を手に入れ、避難先で贅沢に過ご
避難民たちを横目で睨みつつ、これまでと全く代わり映えのしない生
活を余儀なくされる受け入れ先に住む中年期に差し掛かった男性。金に
対する欲望が最高潮に高まった時、幼なじみから原発関連の仕事を斡旋
されて・・・という内容。

東日本大震災に絡む、原発避難民とその受け入れ先住民たちの「闇」
部分にスポットが当てられており、物語は終始暗いトーンで進行する。
しかし、緊迫感が最初から最後まで一貫して保たれている所為で惹き
強く、読書中に全く飽きることが無いのが凄い。

この作品も「釣り」が重要な場面で描かれる。
今回は山渓・ヤマメの毛針釣り。この作家、本当に釣りが好きなんだろ
うなぁ、と感じた次第。

惜しむらくは、緊迫感を切らさずに続いた物語が、やや尻切れトンボ
ような状態で終わってしまっていること。もう少しだけエンディングに
凝って貰えれば、もっと満足出来たかもしれない。

あと1作Unlimited作品があるので、赤松利市強化月間は続行。
この迫力ある文章、ちょっと病みつきになるかも・・・。

UEMURA is BACK!

#HEAT STORM


10月9日に行われた新日本プロレス『Destruction in Ryogoku』
新日本の秋のビッグマッチ。しかし、今回は個人的に注目すべき試合は
無い、と思っていたのだが・・・。

第一試合金丸義信の裏切りでメンバーを1人欠いたJust 5 Guysが、
Xとして連れてきたのは、なななんと上村優也。最近、遠征先の米国・
Impact Wrestling追放されたばかりだから、気付くべきだった
・・・いやぁ、凄いインパクト(^^;)。気付かないで良かった♪

見事にカッコ良く、そして逞しくなった上村は、完全に主役であった。
新人の頃から注目していた選手だが、もしかしたら来年の今頃には、
新日本プロレスの主役に躍り出る可能性がある。

先輩の成田・海野・辻あたりは多少焦った方がいいかも。
HEART STORM要注目!

her最中

#a.k.a ばんどあさひ


ライブハウス・東新宿『真昼の月 夜の太陽』にて、“DIG IT”開催。
僕のお目当てはher最中(はーもなか)

グランドピアノのある落ち着いた感じのライブハウスで、キャパはスタ
ンディングで100人くらいかな?ステージの広さもそこそこあるので、
いろんなジャンルのバンドが使えそう。

her最中、相変わらずやたらしっかりしたリズム隊に乗せて、ある意味
アバンギャルド女性ボーカルが自由に歌う。今回はピアノ&キー
ボードけんちゃんがやたら格好良かった。というか、このバンドは
マジでみんな凄い。今日も何度唸ったか解らないくらいなので。

一つだけクレーム
バンド名が変わったんだったら、先に教えて欲しかった(^^;)。
受付で「もしかしたら場所間違えたかも」と焦っちゃったので(^^;)。

You’re Not The Only One I Know

#ONGAKU-SENKA


『今日のiPod「POP」から流れた曲』
90年代初頭、いわゆるマッドチェスタームーブメントの中で、流星の様
に現れて、いつの間にか消えたバンド。

You’re Not The Only One I Know by The Sundays.
サンデイズ、ローゼスカーペッツハピマンと大きく違うのは、ボー
カルが女性である、ということ。同時期にデビューしながら、この括り
として語られることが無かったのも、それが原因かも。

確かにサウンドは大人しめな上に美麗4AD系らしく、美しいアコース
ティックメロディを聴かせてくれるのだが、何度も聴くとやや中毒にな
ってしまう種類(^^;)。まぁ、あの時代にオーバーするのだから、只者
では無いのは間違い無い。

この時期にはイヤな思い出しか無いのだが、音楽だけは印象深いモノが
多い。まぁ、楽しみと言えばCD聴くくらいだったからなぁ・・・。

▼Reading Writing & Arithmetic / The Sundays

3150 FIGHT vol.7

#興行設定の問題


亀田興毅『3150 FIGHT vol.7』abemaTVにてライブ観戦
会場の大田区総合体育館は正直客入りが悪い。ちょっと不安な気持ち
で観ていたのだけど・・・。

ミニマム級暫定王者ブラザーズ・重岡兄弟は見事に正規王座を統一
兄の優大はタフネスを誇るパンヤ・プラダブスリに粘られてしまった
が、文句の無い判定WBC世界ミニマム級正規王者に。
弟の銀次朗は因縁のダニエル・バラダレスに殆ど何もさせず、5R
TKO勝ちIBF世界ミニマム級正規王者に君臨した。

ミニマムという注目され辛い階級ではあるが、彼らのような試合をし
ていればそのうち客は大勢集まると思う。

そして個人的に注目していたヘビー級但馬ミツロは、今回も豪快に
1RKO勝ち。対戦相手のウィリアムス・オカンドー、やっぱり無名の
選手だが、ミツロに関しては試合をし続け、世界からの認知を受ける
のが何より大事。そろそろアメリカの選手と試合が出来るといいんだ
けど・・・。

問題なのは、メインで組まれたフェザー級12回戦
「IBFフェザー級世界ランキング”2位”決定戦」という、よく解らない
サブタイトルの一戦は、転級初戦となる亀田和毅が、ランキング8位
レラト・ドラミニと対戦。これがとんでもなくつまらない試合だった。

日本には今、世界に誇れるチャンピオンが数名存在する。
彼らに比較すると、あからさまにボクシングのレベルが低い。正直に
言えば、重岡兄弟の世界戦メインになった方が、イベントとしての
満足度が格段に上がった気がする。

興毅ファウンダーは、ビジネスプライベートを分けるべきかと。
せっかく評判が上がってきた3150 FIGHTが、身内の所為でケチが付い
てしまう可能性あり。まぁ、もう和毅はノーチャンスだと思うけど。