SANADA『機を見るに敏』

#KING OF DOUBLE CROSS


4日に行われた新日本プロレス『POWER STRUGGLE』エディオンアリーナ
大阪大会をようやくチェック。予てより行われていたジュニアタッグリーグ
の決勝戦も含み、見応えのある試合が多々あったのだが、いちばんインパク
を残したのは・・・。

SANADA、なんとWAR DOGS入り
第四試合海野翔太とのシングルマッチで敗れたSANADA。この負けは大き
く、今後に暗雲が立ちこめた気がしたが、まさかその4試合後新展開を魅せ
るとは、予想も出来なかった。

セミで行われたIWGPグローバルヘビー級選手権、王者のデビッド・フィンレ
タイチが挑戦した試合。この試合内容が本当にすばらしく、タイチのベス
トバウトと言ってもよいくらい凄かった。タイチはブラックメフィストを決め、
これで3カウント!と思ったところで、セコンドでタイチと同じJ5Gに所属し
ているハズのSANADAレフェリーの足を引っ張る、という暴挙。ニヤリと笑
ったSANADAがジャージのファスナーを降ろすと、そこにはWAR DOGSロゴ
この状況には、さすがに開いた口が塞がらなかった

全日本時代から、SANADAは自分の位置を確保するのに長けていた気がする。
正直、人気面で絶大な不安を残す次期エース・海野噛ませ犬をやってしまっ
たら、浮き上がるのに時間がかかる、と思っていたらこの見事な裏切り劇
これでSANADAは新日本の中枢に居続けられるのだから、大した役者である。

反則・乱入を繰り返すWAR DOGSH.O.Tについて、僕は悪い感情を持って
いない。特にWAR DOGSに関しては、ジェイク以外の全員「客を呼べる」
タイプのヒールである、ということに注目すべき。SANADAも本領発揮出来
るんじゃないかなぁ・・・。

Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 123

#大橋ジム


昨日後楽園ホールで行われた『Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 123
を見逃し配信で確認。目的はメインに登場する力石政法。大橋ジム移籍後
の初戦で、世界前哨戦と目されていた試合だったのだが・・・。

力石の試合はもちろんインパクトがあったのだが、他の試合がまたすばら
しかった。大橋ジム関係のボクサーは皆しっかりしたボクシングを展開し
ているし、マッチメイクに露骨なモノも殆ど感じられない。前座からメイ
ンまで、全く退屈させない、というのは凄いことだと思う。

特に注目は、バンタム級の坂井優太
いわゆる天才肌のボクサーで、ミドルレンジで相手と結構な打ち合いをし
ているにも関わらず、被弾はほぼゼロ。まだデビュー2戦目だが、上位ラ
ンカーと試合しても普通に勝ちそうな気がする。

フェニックスバトル、興行内容が毎回凄く良い。
Lemino無料会員でも観れるので、ボクシング好きならぜひ!

CASIMERO vs SANCHEZ

#終了


Prime Boxingの初日が行われた13日横浜武道館でひっそりと開催されて
いたのが『TREASURE BOXING PROMOTION 7』。どの程度の観客動員が
あったのかは定かでは無いが、メインに行われたのが↓↓この試合。

あの悪名高きフィリピンのジョンリール・カシメロが、WBOバンタム級ラ
ンキング8位・アメリカのサウル・サンチェスと闘うスーパーバンタム級
契約の10回戦。一階級下の相手だが、カシメロが1Rに三度のダウンを奪
ってのTKO勝利となった。

・・・本当にもうどうでもいい
前日計量1回目で1kg超過、2回目でも600gオーバー。サンチェス陣営が
翌日軽量で58kgアンダーであれば試合を行う、と情けをかけてくれたおか
げで試合は行われたが、そんな試合でKO勝ちしても・・・という感じ。

カシメロに期待するファン、もしかしたらもうフィリピンにも居ないかも。
井上尚弥はもちろん、全てのちゃんとしているボクサーに対して失礼。
もし世界タイトルが欲しいのであれば、減量の心配の無いフェザー級、そ
れも無理ならスーパーフェザー級あたりに転級すればいい。そこで勝てる
かどうかはさておき、だが。

伊藤雅雪氏、このガラクタで多少は金儲け出来たんだろうか?
彼の率いるTBPにはかなり期待しているので、次に外国人を招聘するのな
ら、もう少しマシな選手を期待する。ブランドン・フィゲロアとかダメか
なぁ・・・。

太陽の天才児

#ACE


14日、Prime Boxing 10をAmazonの配信で観た後、続いて両国国技館
行われていた新日本プロレスKING OF PRO-WRESTLING 2024』を、
CSテレ朝チャンネルの録画にてチェック。どちらを生で観ようか迷ったの
だが、結局新日を後回しにした。これが良かったのか悪かったのか・・・。

第一試合から豪華カード満載、非常に満足度の高い興行。
ミスティコとヒロムのシングルや、DOUKIの驚くIWGPジュニア防衛戦、そ
してザックのIWGP世界初戴冠など、ここで触れるべき試合が多々あった。
だが・・・。

第六試合終了後、いきなりソレは起こった
自身のデビュー25周年記念試合に登場した現新日本プロレスリング(株)
代表取締役棚橋弘至が、2026年1月4日での現役引退を表明・・・。

近いウチにそういうこともあり得る、という覚悟はしていた。
しかし、実際にタナ本人の口からコレを聞いてしまうと、そのショックは
尋常では無かった。涙が溢れて止まらない。正直、それ以降の試合に関し
ては観ていることが出来ず、翌日に回してしまった。

僕はアントニオ猪木で育った世代であり、プロレスの仕組みがどうであろ
うと「強さ」至上主義。そんな僕が、『「強さ」にも色々な種類がある』
と認識を改めたのは、そこに棚橋弘至が居たから、に他ならない。

タナが創り変え、タナがその中心に居たから、僕は新日本プロレスを見続
けてきた。そんなタナが現役を退くなんて・・・。

未だに心の整理がつかない。
でも、まだ1年2ヶ月もあるのに、ここで呆けるワケにはいかない。
エース生き様、最後まで見届けたい!

Prime Boxing 10 day2

#Another Monster


Prime Boxing 10有明2days二日目
最初に第一試合、アンソニー・オラスクアガvsジョナサン・ゴンサレス
ついては、偶然のバッティングでゴンサレスが負傷、ノーコンテストとな
ったため、レビューはせず。アンソニー、次に期待!

■第二試合:WBO世界スーパーフライ級選手権
前回防衛戦が中止となった王者の田中恒成が、同級6位、南アフリカのプ
レレ・カフを迎え撃った試合。カフの情報は殆ど入ってこなかったのだが、
どんな相手でも恒成が負けるワケが無い、と思ってたのだが・・・。

カフがとにかく凄い。初めての日本であの田中恒成を相手に、全く動じる
ことなく互角の闘いを展開。恒成ももちろん互角に渡り合うが、5Rにカフ
ダウンを奪う。このダウン、かなり致命的だと思ったが、恒成はなんと
か回復。後半はかなり盛り返したが、カフからダウンを奪い返すことは出
来ず・・・。このダウンの差が判定に出た。まさか・・・。

■第三試合:WBOアジアパシフィックバンタム級選手権
この二日間で唯一の世界タイトルマッチでは無い試合。前回の目の覚める
ようなKO劇で勢いに乗る那須川天心が、2位のジェルウィン・アシロ
空位のWBOAP選手権を争う。もちろん天心のKOが期待されたが・・・。

アシロ思った以上にやる選手だった、という結論。
具体的には、カウンターを狙う天心にそのチャンスを殆ど与えないボクシ
ングに徹し、その距離のまま時折左右の強打を振るう、という厄介な相手
そんな相手に対し、パンチを裁いた上で9Rにはダウンを奪ったのだから、
やっぱり天心も並のボクサーでは無い。しかし、アシロがいくら良い選手
だとはいえ、あくまで東洋レベル。今のままでは現状のバンタム級世界王
者の四人に、全く届かないと思う。
それは本人もしっかり理解している気がするので、今後の2〜3試合で更な
る成長を期待。天心なら出来ると思うんだけどなぁ・・・。

■第四試合:WBC世界バンタム級選手権
“NEXT MONSTER”こと中谷潤人が、同級1位、タイのペッチ・ソー・チッ
トパッタナと二度目の防衛戦。凄いのはペッチの戦績で、77戦76勝1敗
うち53試合KO勝利。1敗は井上拓真に喫したモノ。ちなみにこれまで
一度もダウンした経験が無い

・・・レベルが違う
いやもう、最初から最後まで口アングリ状態になるくらい、中谷の強さば
かりが際立つ。これまでダウン経験の無い強打者を文字通り子ども扱いし、
ほぼほぼ被弾することなく6R二度のダウンを奪い完勝。
もし中谷に勝利する選手が居るとすれば、それはもう井上尚弥しか思い浮
かばない。同時に、井上尚弥を倒す可能性のある選手も、中谷潤人しかあ
りえない、とまで思った。この試合がいつ実現するか解らないが、仮にス
ーパーバンタム級で実現するなら五分五分、フェザー級以上で実現するな
中谷の勝ち、な気がする。
中谷は既にNEXTではなく、もう一人のモンスター。このカード、そろそ
現実味を帯びてきたかも!