小説・すずめの戸締まり

#先読み


▼すずめの戸締まり / 新海誠(Kindle版)

11月公開の映画「すずめの戸締まり」のノベライズ版。
新海誠作品劇場鑑賞の前に小説を読む、というのが定番になりつつあるの
だが、今回は小説のリリースがかなり早い感。

映画公開前なので、ここから先はちょっとだけネタバレ注意で。

・・・今回の作品に関しては、ちょっと順番を間違えたかな、と思う。
新海作品では珍しいのだが、この小説の世界で起こることがいつもに比べて
非常に「観念的」。つまり想像が追いつかず、どのような事が起こっている
のかを思い浮かべることがちょっと困難。おかげで、いつものように速読が
出来ず、最終的な印象も少し薄いママでいる。

そして、題材にもやや問題があるような・・・。
終盤で、実際に起こった“あの事件”がこの物語のコアであることが解るのだ
が、残念ながら僕はまだあの件から癒えきっていないらしい。クライマック
ス前の部分は正直読むのが辛く、ある部分は流し読みになってしまった。

一応、映画はしっかり観ようと思っているのだけど、さすがにちょっと構え
てしまう。大丈夫かな、コレ観て・・・。

新日本プロレス50年物語①

#マニアという生き方


▼新日本プロレス50年物語 第1巻 昭和黄金期 / 流智美

新日本プロレス50周年を記念し、週刊プロレス編集した特集本。
『第1巻』とあるように、今後2巻『平成繁栄期』3巻『V字回復期』
続刊が予定されている。おもしろいのは、それぞれで【著者】が違うこと。

新日本の旗揚げから、昭和64年までを担当したのは、プロレス史家にして、
長い間ルー・テーズの個人マネージャーを務めていた流智美氏。この期間
を書く人としては適任、と思っていたが、良い意味で様子が違った

この本、新日本プロレスの時系列に併せた「流智美自伝」的なモノ。
この構成は正直賛否両論あると思うのだが、個人的にはいろいろなところ
で懐古されている凡百の周年本を読むよりも、よっぽど興味が持てた。

おそらく、【プロレスマニア】としての「生き方」の提示、が魅力
僕は流氏のように聡明でもストイックでも無く、持続力も無いが、例えば
駅のスタンドで毎日東スポを買う、とか、テレビ中継を何よりも優先する
とか、共感出来る部分がやたら多い。そういう意味で、非常に読み応えの
深い「作品」であると思う。

ちなみに2巻の著者は元東スポ高木記者
流氏のソレとは構成もテイストも違ってくると思うけど、それはそれで
ちょっと楽しみでもある。秋発売らしいから、そろそろかな?

World Wrestling Federation

#WWF


Gスピリッツの65号が発売中!

▼Gスピリッツvol.65

今回のGスピリッツは完全保存版
・・・っても、Gスピリッツは増刊まで含めて全て完全保存してるのだけど(^^;)。
しかし、今回の特集は【WWF】。現在のWWEのルーツを、Gスピリッツらし
い独自の視点で丁寧に解説。コレは本当に凄い。

特にハルク・ホーガンにスポットを当てた小泉悦次さんの記事が秀逸
世界のプロレス史家26人によるオールタイムのレーティングスをネタに、
「ホーガンの何がダメなのか?」が具体的な史実を含めて記されているのだ
が、その内容がもう大納得。しっかりプロレス史を研究している人は、プレ
ゼン能力にも秀でている、というのが証明された感。

そして、ビンス・マクマホン(ジュニア)という稀代の名プロモーターが、
如何に凄い男なのか?がしっかり解る。しばらく読み返すだろうな、この本。

Dr.VEGAPUNK

#ミスリード


本日売りの週刊少年ジャンプ43号ONE PIECE」最新話。
ネタバレあり!なので、コミック派とかアニメ派の人たちはここから先を読
む人は注意してくださいませ。

▼週刊少年ジャンプ(43) 2022年 10/10号

先週まででいろんな爆弾情報が投下され、否応なく期待が高まる展開なのだ
が、今回は超弩級2006年エニエス・ロビー編で初めてその名が明らか
になり、15年以上ものままだった『世界最高の頭脳』Dr.ベガパンクが、
遂にその姿を現した!

しかし、その姿は明らかに「女性」
これまでのベガパンクに対する言及から考えると、ベガパンクが若い女性で
ある、という事実は考えにくい。更にウェットスーツっぽいユニフォームに
【PUNK 02】の記述。となると、コレはベガパンク本人ではなく、遠隔操
作されたアンドロイドとか、思考を則られた別人とか、そういう説が考えら
れるのだが・・・。

ただ、これまでずっと謎だったベガパンクを、女性の姿で登場させる、とい
うアイデアは恐ろしく秀逸。こんな展開を魅せられたら、読む方はたまった
モンでは無い(^^;)。さすが!

正体は早晩明らかになるとして、ポイントはベガパンクがに回るのか、
味方に付くのか?の一点。悪い人じゃなさそうなんだけど・・・。

氷菓

#アイスクリーム


▼氷菓 / 米澤穂信(Kindle版)

予定通り米澤穂信強化月間に突入しよう、ということで、最初に話題
になった(であろう)古典部シリーズをチョイス。最新で6冊まで出て
いるし、しばらく読む本に困らない、と判断。

地方の進学校に入学したシニカル皮肉屋主人公が、姉の命令(?)
で謎の部活「古典部」へ入部、卓越した推理力で仲間たちから持ちか
けられる【謎】を解決して行く、という物語。

今のところいわゆるドロドロした犯罪の香りが全くしないピュアな
推理小説。シリーズ第一作に当たるこの「氷菓」も、やや難解な謎が
順序立てて解決されて行く様はなかなか痛快。今後、青春群像劇的な
展開も充分に考えられるので、次を読むのが楽しみ。

・・・ただ、途中まで読んだところで「この話知ってんだよなぁ・・・」
いう既視感が。半分くらい読んじゃったところで思い出したのは、既
TVアニメで観ていた、という事実(^^;)。いや、最近のことなんだ
けどなぁ、コレ(^^;)。しかし、次回作からは「素」で読めるハズ。
ちょっとハマってみよう、古典部シリーズ♪