部屋・インサイド

▼部屋<上> インサイド /  エマ・ドナヒュー (著)・ 土屋 京子 (訳)

アカデミー賞最有力候補と言われる映画「ルーム」
その原作で、上下巻2冊の大作。ブクログ献本企画に応募し、見事に2冊を
セットでゲット。映画と小説、どちらを優先するか迷ったのだが、取り敢えず
小説の方から読んでみた。

上巻のサブタイトルは「インサイド」
とある“部屋”の中“だけ”で暮らす親子の話で、ほぼ全ての文章は5歳になった
ばかりの男の子、ジャックの語りで進められる。

約9割を占める幼児言葉の羅列は正直苦しく、前段から中盤にかけてはハッキリ
「苦行」であった。ただ、この苦行を続けることで”部屋”の状況が異様である
ことがゆっくりと、しかし確実に解ってくる。全ての状況が完璧に把握出来る
のはもう殆ど上巻の終盤であるが、ラスト30ページ怒濤の展開はスリル満点
事件は一応一段落するのだが、「アウトサイド」と銘打たれた下巻がちょっと
楽しみになってきた。

ただ、語り部がジャックのままだとちょっと苦行は続いちゃうかも(^^;)。
状況が変わってくれるとありがたいなぁ(^^;)。