永嶋恵美、一挙に4作目に突入。タイトルは「擬態」。
なぜにコレを選んだのかと言うと、紹介文の中に大好物の“イヤミス”という
ワードを発見したから。ここまで読んだ3作品にはそういう香りはしなかった
のだけど、もしや!と思いつい・・・。
で、結果から言えば決してイヤミスではありませんでしたよ、ええ(^^;)。
どちらかと言えば叙述トリックの使い方が秀逸なドンデン返し系ミステリー。
物語の9割は2人の女性の日常描写で埋め尽くされているのだが、最後の最後
で全てが繋がる展開。何を書いてもネタバレしそうなので内容はもう書かな
いことにしときます(^^;)。
つまり、ある程度読み込めば少しオチが読めてくる人が多々居そうな感はある。
しかしこれは僕にとって決して致命的な弱点では無かった。というのも、9割
を費やしたヒューマンドラマの部分が淡々としていながらそそる内容であり、
ストーリーに対する興味が切れなかったから。正直、僕もオチの想像は付いた
のだが、その後の話の仕舞い方の巧妙さに思わず感心してしまった。
これまで読んだ作品の中で敢えて似てるのを選ぶとするのなら、乾くるみの
「イニシエーション・ラブ」あたり。ただ、あちらで感じたあざとさはこの
作品には無く、読み終わった後で怒りを覚える(^^;)ことも無いと思う。
最後にアッと驚くタイプのミステリーが好きな人は是非。
もちろん、タイトルにキチンと意味あり!