奈良出張からの帰宅時、新幹線に乗車する前にKindleストアで購入したモノ。
「ホラー」というキーワードで検索し、タイトル内の「●」に惹かれた結果。
矢樹純はもちろん読んだことも聞いたことも無い作家だったのだが、これが・・・。
青森県のある集落を舞台としたホラーで、形式は連作短編。章ごとに語り部は
変わるのだが、共通の登場人物がひとり。やや淡々とした心情描写で物語は進
むのだが、とにかくゾワっとした悪寒が治まらない。やたら怖い。
名言こそされいが、タイトルの「●」にもちゃんと意味があり、そこらへんに
ゴマンとある同種の作品とは完全に一線を画す、気合いの入ったホラー。
それだけでなく、最後にはちょっとした切なさすら感じる。最近読んだこの
ジャンルの作品の中では群を抜いた説得力を有する、凄い作品だと思う。
この作家、実の妹とタッグを組む漫画原作者らしい。
言われてみればこういう不思議な話は二次元での表現にも凄く向いている気が
するし、もしコミカライズされるのであれば間違い無く読んでみたい気が。
かなり良い作家を発見したかも。
取り敢えずKindleストア内の作品を片っ端から読むことにします!