お馴染みKindleストアのリコメンド作品。
長江俊和という作家の作品を読むのは初めてなのだが、その名前にどこか聞き
覚えアリ。調べてみたら、CXのカルト番組「放送禁止」の監督・脚本を務めた
演出家。あの番組の“逼迫する怖さ”に惹かれまくっていた覚えがあったので、
事前の期待値充分な状態で読み始めた。
・・・フリーライターの女性が先輩の男性と共に東京23区を巡る話。
今回登場するのは板橋区・渋谷区・港区・江東区・品川区の5区で、それぞれ
の区の“過去の因縁”が現代の事件にリンクする形式の静かなるホラー。
とにかくゾクゾクくる怖さに溢れており、ホラーとして秀逸なのは間違いない
のだが、それよりも各区の過去の蘊蓄の鋭さに思わず唸ってしまった。
「なぜお台場に”お”をつけるか?」とか、「渋谷の地名に”橋”が多いのはなぜ
か?」とか、「なぜこの場所は”深川”と呼ばれるのか」etc…。
東京で生まれ、人生の9割を東京で過ごして来たハズの僕が知らない知識が
存分に詰め込まれており、それを知ることが出来ただけでも読んだ価値アリ。
充実した読書をさせていただきました!
残り18区をフィーチャーした続編を期待すると共に、映像で観たい作品。
作者は以前CX系で「TOKYO23区の女」という恋愛系ドラマの一篇を演出して
いるが、ぜひこちらを連ドラに。深夜枠でもいいので♪