井上尚弥、制御不能な「怪物」ぶり

WBO世界スーパーフェザー級王者「怪物」こと井上尚弥の年内最終戦。
挑戦者は31連勝の同級6位、フランスのヨアン・ボワイヨ。肩書き通りなら
それなりに強豪の筈なのだが、果たして井上の対戦相手が務まるかどうか・・・。

不安的中(^^;)。
これは1Rダウンシーン。足を使いながら果敢に攻めてきた挑戦者の一発を選
び、見事な左のカウンター。もし残り時間があと30秒あったら、大晦日のビッ
グマッチは1Rで決着が付いていた筈。

井上尚弥の凄いところは、相手が警戒して消極的なボクシングを仕掛けてきて
も、高い確率でKOまで持って行けること。今回も3R3回のダウンを奪い、
見事すぎるTKO勝ち。誰がこの男に勝てるというのか・・・。

そして、以前から注目している井上の「足の運び」が今回も絶妙。
挑戦者が王者の周りをサークリングする、というのが基本形だが、相手が3歩
動く距離を井上は1歩でモノにする。井上が怪物と呼ばれる由縁は、実はこの
足の運びにある、と僕は思う。

試合後のインタビューで「来年はバンタム級に転向」と名言したモンスター。
言わずと知れた「山中の階級」だが、井上に後継者としての資格は充分以上に
ある。いや、もしかしたら神の左を超えて行くかも・・・。

井上尚弥はもちろん、ミドル級の村田諒太や本日見事なKOを魅せた拳四朗など、
楽しみな選手がやたら多い。来年のボクシングは、きっともっと面白くなる!