プロレスの「黄金時代」とされる1980年から89年までの10年間の解説本。
俗に新日本・全日本の「二団体時代」とされる時期で、両団体の試合が地上波の
ゴールデンタイムで放映されていた、プロレスがいちばん熱かった時代。その頃
に選手としても経営者としても団体のトップを張っていた日本プロレス界の象徴、
アントニオ猪木とジャイアント馬場の対立と、両者の権力が衰えていく様子が時
系列で描かれている。
・・・この手のプロレス本に関してはかなりの数を読んでいるのだが、正直中途半
端な印象。ディープなプロレスファンであればおおよそ知っている事実に対し、
主観を混ぜた状態で淡々と書かれているのだが、その肝心の「主観」があまりに
画一的。一冊の本としてまとめる場合、もう少し自分の考えが前面に出てきてく
れないと、すれっからしの我々は共感も批判も出来ない。
そして、がっかりしたのはタイトルに対する明確なアンサーが記載されていない
こと。まぁ、文脈から察しろ、ということだとは思うのだが、だとするなら特に
必要の無い本(^^;)、ということになっちゃうと思う。
それなりに読める本ではあるが、良い意味でも悪い意味でも「問題作」では無い。
そういうプロレス書籍ってインパクトも無いんだよなぁ、実は・・・。