ONE PIECE magazine vol.1

▼ONE PIECE magazine vol.1

ワンピース20周年を記念し、3ヶ月連続3号出版される予定のムック
コンビニでよくみるような勝手考察系(それはそれで面白いのだが)では
無く、集英社がキッチリ編集したオフィシャルマガジンエンボス加工
表紙、付録の手配書など、まるで豪華本のような造り。

連載小説や著名人へのインタビュー、絵物語や原画など、読みどころ満載
なのだが、いちばんインパクトが強いのは尾田栄一郎自身の書き下ろしと
なるマンガ「Special Episode “Luff”」。物量はたった2ページ、見開きの
み。ただ・・・。愛好家ならこの2ページだけで大泣き出来るハズ。

そしてこの2ページを読んだら、エース右肩のタトゥーについて検索。
アレをずっと刺青失敗番長だと思っていた自分が情けない(^^;)。
とにかく読むべし!

まんが道大解剖

▼まんが道大解剖 / 藤子不二雄Ⓐ(監修)

コンビニのブックスタンドで偶然見かけたMOOK
同じ机に向かい、原稿に取り組みながらニッコリ笑う満賀才野の表紙を見た
瞬間、他の買い物をほぼすっ飛ばしてレジへ。まさかこの時代に、あの2人
カラーイラスト表紙を飾る雑誌が出るとは・・・。

このMOOK、藤子不二雄Ⓐ先生ライフワークとも言える「まんが道」と、
その続編である「愛・・・知りそめし頃に・・・」完全ガイドと銘打った意欲作。
Ⓐ先生はもちろん、歴代のまんが道担当編集者実のお姉様(!)、そして
トキワ荘とは一線を画しながらも親交の深い劇画家・さいとうたかを氏など
への超レアインタビューを多数掲載。体系化された資料ページもすばらし
く、作品への過剰とも言える「愛」が詰まった作品だと思う。

特集ページも“名言集”“経済白書”など、まんが道ファンなら絶対に興味を
惹くモノばかり。特に「実物」として掲載されている電報3通は思わずオォ!
と唸ってしまうほど圧巻。「スグレンラクタノム ナカヨシ」と打刻された
講談社・なかよし編集部からの電報が、今もⒶ先生の手元にちゃんと実在し
ている、という事実に思わず感動してしまった。さすがに伝説の「ゲンオク
ルニオヨバズ ヨソヘタノンダ」は捨てたのかもしれないが(^^;)。もし現存
していれば、1,000万円は下らない価値があると思うなぁ・・・。

とにかく、ファンなら絶対に購入しておくべきMOOK。
ファンでなくとも、“日本少年漫画界のアイコン”による入魂のライフワーク、
「まんが道」だけは必読図書に推したい。合言葉は「ンマーイ!」で!

こち亀の終焉によせて

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称“こち亀”が、先週土曜日に発売され
週刊少年ジャンプ最終回40年の間、一度の休載も無く続いた連載マンガ
が、遂に終焉を迎えた。

驚いたのは最終回に対する出版社の「演出」
ジャンプ本誌コミックス最終巻となる200巻を同時発売し、最終回の内容が
それぞれ違う、という、驚愕の仕掛けを施した。出版物としてはあまりに派手
既に国民的なマンガとなっているこち亀に対しての、集英社の「愛」を感じ、
思わずジ〜ンと来た。

ちなみにジャンプ本誌、そしてこの40周年記念特装版の200巻、双方共に軒並
売り切れ。僕は大手町駅構内の本屋でどうにか手に入れることが出来た。

最終回の内容については、多くを語る必要は無いと思う。
これまでのこち亀の在り方を考えれば、最後の回を無理に泣かせる必要は無い
し、物語にケリを付ける必要も無い。僕の考えでは、アレがベストだと思う。
あの終わり方ならば、あのメンバーがある日ひょっこり帰って来ても誰も文句
を言わないと思うので。

・・・ひとまず、ひとまず言わせて貰います。
秋本治先生、本当に40年間お疲れ様でした。もちろん休んで貰って全然構いま
せんが、今後こち亀を書きたくなるようなことがあれば、どの媒体でどんな長さ
でも構いません。書いてください
40年読んで来た我々は、普通にこち亀に再会出来ると信じているので。

▼40周年記念特装版・こち亀200巻 / 秋本治

PARマンの情熱的な日々

▼PARマンの情熱的な日々(1)-(4)

藤子不二雄Ⓐ先生、いまのところの最新作である「PARマンの情熱的な日々」
を、1巻から4巻まで一気に読んでみた。
明らかにこないだ読んだ「81歳いまだまんが道を・・・」に引き摺られた結果。
Ⓐ先生の作品には、そういう魔力のようなモノが確実にある。

2007年ジャンプSQの創刊時から連載(!)を開始し、2015年12月まで続け
られたⒶ先生日記のような作品。文章と絵の割合はほぼ半々であり、他の作品
と比較すると間違い無く“緩い”のだが、そのユルさを表現する作業がかなり緻密
全く手を抜かないで“手抜き感”を表現しちゃうのだから、生来のヒネクレ振り
やっぱり半端じゃない。藤子不二雄Ⓐのファンとしては、それが本当に嬉しい。

そしてこのキュートな作品をずっと大事にしてくれている集英社・ジャンプSQ
にも、最大限の感謝を。売れている雑誌を作っている会社はやっぱり懐が深い。

今年に入ってから療養中のⒶ先生だが、ある日当たり前のようにこの連載は再開
される、と根拠無く信じている。それまでゆっくり休んで貰い、気が向いた時に
もう一度描いて貰えれば。

Ⓐ先生の新作が読める、という事実だけで、我々はかなり幸せだ。

「暗殺教室」の見事な終わり方

週刊少年ジャンプで連載していた「暗殺教室」
本日売りの本誌にて4週に渡った追撃戦・スピンオフエピソードも終了の模様。
4年弱に渡った連載は単行本にして20冊分全180話+番外編4話
人気はほぼ絶頂期なのにもかかわらず、ストーリーに歪みが出ないうちに潔く
終了。全く以てすばらしい作品だったと思う。

少年誌なのにも関わらず、テーマは「暗殺」。一歩間違えば危険な領域なのに、
どちらかといえば金八系に近いハートフル学園モノの香りを始終感じさせ続け
松井優征の構成力は見事としか言いようが無い。きっと、この作品に影響を
受けて教師を志す若者も増えるんじゃないだろうか?・・・そういう事例が本当
に出て来そう(^^;)。

そして、またもや“定番”が一つ終わってしまったジャンプ。
ONE PIECEは心配無いにしても、人気作品もしくはかつての人気作品(^^;)に
終了ないしは打ち切りの香りのするものがいくつかあるのが気になる。
個人的には篠原健太の新連載を待っているのだが、果たして?

そして、もちろん松井優征の次回作にも期待。取り敢えずお疲れ様でした!

▼暗殺教室19巻 / 松井優征 ※最終巻の一つ前♪