K’ FESTA.4

#「間に合う」


K-1「K’ FESTA.4 day2」をabemaTVの生中継にて。
最近のK-1は追いかけるべき選手が見当たらず、正直興味が薄れていたの
だが、さすがに今日だけはチェックせざるを得ない。

メイン、K-1スーパーフェザー級タイトルマッチ
1年近く試合から遠ざかっていた王者の武尊が、「過去最強の挑戦者」
言って差し支えのないレオナ・ペタスの挑戦を受けた。

ここに至るまでに幾つかレオナの試合をチェックしたのだが、確かにこの
男は強い。僕の事前の予想は【武尊苦戦】、最悪【レオナ勝利】。試合開
始直前までその思いは強かった。入場時から顔色の冴えない武尊に対し、
強者のオーラが出まくっていたレオナ。今後日本の立ち技格闘技の歴史を
左右すると思われる試合が実現する前に武尊のキャリアが終わってしまう
かも、と思っていたのだが・・・。

・・・ゴングが鳴ると当然のように武尊の顔色が変わり、以前同様の「恐ろし
く強い武尊」がいきなり顔を出した。リーチの違う相手の懐に果敢に飛び
込み、被弾しても不敵な笑顔。武尊がこのモードに入ると、もう誰も手が
付けられない。

事実上、1Rの左フックで試合は決まっていた。
逆に、死に体になりながらも恐れずに前に出たレオナの精神力を褒める
べき。良い選手なので、心が折れてしまっていなければいいのだが・・・。

圧倒的なKO勝利を観て、もしかしたら間に合うかもしれない、と感じた。
何に間に合うのかというと、それはもちろん那須川天心との一戦である。
今日の武尊を観ても、僕の中で未だに天心有利という気持ちは動かない。
でも、今日のままの武尊であれば、天心との試合は確実に凄くなるハズ。

これで本当に『世紀の一戦』となる武尊vs那須川天心
いつになるのか、どこの団体か、どういうルールになるのか等、まだま
だ明白で無い部分が多々あるが、確実に実現して欲しい。
武尊vs天心だけは、絶対に生で観るべきだな、うん。

U.W.F.外伝

#さまよえる格闘家 #リアル範馬刃牙


▼U.W.F.外伝 / 平直行(Kindle版)

名作「グラップラー刃牙」の主人公、範馬刃牙モデルとなった格闘家、
平直行自伝。タイトルに「UWF」の3文字があるが、平はUWFに在籍した
時期は無い。これは売れ行きのためにUWFが付いたんだ、と勘ぐっていたの
だが・・・。

僕は一貫して「さまよえる格闘家」と呼ばれた平直行のファンだった。
シュートボクシング格闘技オリンピックRINGS実験リーグなどの主要な
試合はもちろん、バトラーツプロレスをする姿もこの目で観た。どんなル
ールの試合に出ても、必ず独創的ヒリヒリした試合を魅せてくれる、あの
当時では珍しい「プロフェッショナル」な格闘家であった。

あの平直行がプロレス、それもUWF大ファンであった、というのは、正直
この本を読んで初めて知った。しかし、当時をよく考えてみれば、平は公の
場でプロレスを腐すような発言を一切しなかったし、プロレスラーとしてリ
ングに上がっているときも一朝一夕では絶対に出来ないキレイな「受け身」
を見せていた。僕のようなプロレスを入口に格闘技観戦に入った人たちを惹
き付けたのは当たり前だった、ということ。

タイトルに「UWF」の三文字のある本を何冊も読んできたが、お世辞抜きに
それらの中でいちばんおもしろかった。紛れもなく平直行にしか書くことが
出来ない「外伝」であり、タイトルにこの3文字は絶対に必要である

創世記の「格闘技」に興味のある人は是非。すばらしいです、コレ。

Branko Cikatić

#K-1Legend


K-1 WORLD GP・初代ヘビー級王者ブランコ・シカティック氏逝去。
死因は明らかにされていないが、2018年に肺塞栓症および敗血症のため
入院、近年ではパーキンソン病を患っていたという。享年65

実は日本に純粋な格闘技ブームを呼んだのはこの人だったと思う。
↑↑は第1回K-1WGP決勝戦だが、この時にブランコ(と対戦相手の
アーネスト・ホースト)の名前を知っているファンはほぼ居なかった。

このトーナメントに参加したのは佐竹雅昭モーリス・スミスピーター
・アーツチャンプア・ゲッソンリットなど、プロレスの団体で異種格闘
技戦を行った人が殆ど。決勝はスミスvsアーツが予想されていたが、上が
って来たのは全く無名だったこの2人だったのに驚いた。

今見返してみても、凄いレベルの凌ぎ合い。
カウンターのパンチと軌道の変わるキックで攻め続けるホーストを、たっ
た一発のパンチで切って落としたブランコの「強さ」に、大観衆は狂喜。
この大会一発でK-1の成功は確実なモノとなった。

全てはブランコ・シカティックが居たからこそ
尊敬すべき「伝説の拳」に、大いなるリスペクトを。また必ずどこかで。

K-1 WGP 2020 K’FESTA.3

#ヒーローを泣かすなよ!


非難囂々の「K-1 WGP 2020 K’FESTA.3」。
開催に関する云々はアッチでいろいろ書いたのでご参照を。ここでは、
セミに登場したK-1のエース武尊について。

コロナ騒動にまつわる対戦相手の変更に加え、折からの調子の悪さが
ピックアップされていた武尊だが、試合では見事にムエタイの強豪、
ペッダム・ペットギャットペット2RKOに切って落とした。武尊ら
しい豪快な試合だったのだが、問題はその後のマイクアピール

・・・泣かすなよ、武尊を(–x)
涙のマイクアピールは、間違い無く神童・那須川天心との試合の実現
を願ったモノ。世間からは「逃げている」とされているが、この表情
を見ると、それが武尊の本意では無かったことが一発で理解出来る。

ずっと新生K-1の象徴で在り続けた武尊。そんな功労者を、公の場で
涙させてしまったのは、一体誰なのか? そろそろハッキリさせるべき
だと思う。

おそらくK-1運営側は「もしかしたら負けるかも?」があるから、い
くら武尊自身が夢のカードを訴えても実現を拒否した。時間が経てば
経つほど武尊が不利になるにも関わらず、だ。

何が罪なのかと言うと、現状の武尊と天心では、3:7くらいで天心
の方が実力が上、と判断されること。これがもし3年前であったら、
本当にどうなるか解らない極上のマッチアップだったと思う。

・・・遅きに失した感はあるし、武尊が完敗する場面も見たくは無い。
でも、武尊がこの試合を欲するのであれば、それを見届ける覚悟は
こちらにもちゃんとある。

それでも実現しないのなら、そんなプロモーションに価値など無い。
Knock Outに移籍してもいいんじゃないかな、本当に。

那須川天心vs亀田興毅

#ボクシングルール #TVマッチ


abemaTVの企画「那須川天心をKOしたら1,000万円」シリーズのスペシャル、
那須川天心vs亀田興毅のボクシングルールによる3Rマッチが本日オンエアされた。

天心は好きだが、この企画はどうも好きになれず、これまで一度も観たことは
なかったのだが、今日はさすがに視聴した。天心の「ボクサーとしての実力」
確認するためである。

いろいろあった亀田興毅だが、まがりなりにも3階級制覇を達成したボクサー。
正直、現役時代のどの試合も話題性以外のインパクトは無かった選手だが、一点
だけ観るべきところがあるとすればディフェンスの巧みさ。さすがに天心も攻め
あぐねるんじゃないか?と思っていたのだが・・・。


ルールは3分3Rのボクシングルール12オンスグラブ及びヘッドギア着用。
1Rから天心のが冴え、回転の速い連打が面白いように当たるのだから凄い。
特に開幕に放ったテンプルへのフックは強烈で、ヘッドギアが無かったら興毅
はKOされていたと思う。


最終の3R、なんと両者はヘッドギアを外して再開
押され続けていた興毅も意地を見せ、幾つかのパンチを当てたのだが、天心の
回転は全く止まらず。KOこそ逃したものの、内容的には天心の「快勝」だった。

那須川天心、純粋にボクシングをやったとしても、世界を狙えるレベルにある、
と感じた。一方、またもやボクシング界に泥を塗った形となった亀田興毅だが、
これまでの亀田の試合でいちばん良かった気がする。終盤、あきらかにやせ我
慢しながらの「打ってこい!」には、不覚にも感動した。現役時代に1試合でも
こういう試合を魅せてくれたら、もっと人気が出たんじゃないか?と思った。

前夜、日本ボクシングコミッションと日本プロボクシング協会が共同声明を出し、
格闘技界やネットテレビなどで行われている「ボクシング」と銘打つイベント
否定的な立場を表明した。思わぬ逆風の吹いた企画だが、エキシビションのレベ
ルを上回る試合を魅せてくれた2人の選手に感謝したい。

ただ、天心はもうこの手の企画に乗らないで欲しい、とも思う。
今後プロボクサーとの対戦が組まれたとしても、ルールはMMAかキックで体重
の釣り合う選手とのみ試合して欲しいのが本音。ボクシングルールは天心にも
対戦相手にもリスクが大きすぎるので・・・。