クスノキの女神

#東野ファンタジー


クスノキの女神 / 東野圭吾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東野圭吾作品。
・・・いつものように「新作」と書けないのは、この本の発売日が去年の5月だった
から。そして、僕がこの本を購入したのも昨年5月(^^;)。紙の本ってホントに暖
めてしまいがちなのだけど、東野圭吾作品でコレをやってしまうとは・・・。

4年前にリリースされた「クスノキの番人」の続編。
人の「思い」を記憶し、それを他人に「伝える」ことの出来る不思議なクスノキ
“番人”となった玲斗は、神社の仕事をこなしながら通信制で学ぶ大学生となっ
ていた。そして玲斗を助け、クスノキの番人へと導いた叔母千舟は、矍鑠とし
ながらも認知症が徐々に進行している状況。そんな中、神社に「自作の詩集を置
かせて欲しい」という少女が現れて・・・という感じの導入。

前作の前半部分にやや冗長に感じる部分があり、今回も中盤までは我慢の読書
なることを覚悟していたのだが、その覚悟は全くの無駄に終わった。今回は登場
人物の設定がしっかりアタマに入っていた所為か、序盤のゆったりした展開も興
味深い伏線としてスルスル入ってくる。景観の優れた山渓道をゆったり散歩し、
最後にすばらしい情景を拝む、という感じのすばらしい読後感。いや、脱帽です。

ストーリーに関しても、何かしらの“熱いモノ”が、ラストに向かってゆっくり迫
ってくる堂々としたモノ。クライマックスはもちろんのこと、その前段階の幾つ
かの部分で、思わず涙が溢れたほど。けしてハッピーな終わり方では無いが、そ
れでも「前を向くべき」と思わせてくれたのだから凄い。

久しぶりにちゃんと「本」を読んだなぁ、という充実感
やっぱりちゃんと凄いんだよ、東野圭吾って。

UWFの記憶

#UWF


旗揚げ40年 UWFの記憶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久々に書店に行った折、思わず購入してしまったA4サイズMOOK
この手の雑誌やムックに関しては、Gスピリッツ以外はもう購入しない、と
決めていた。判型が大きいから保管に困るし、だいたい電子版が同時に発売
されるし(^^;)。しかし、コレは表紙を見ただけで手に取ってしまった・・・。

第一次UWF旗揚げから、もう40年が経過したのか、と。
このムックで取り上げられているのは、第一次UWF・新生UWF・プロフェ
ッショナルレスリング藤原組・UWFインターナショナル・リングス・パン
クラス6団体で、僕はこの全団体を複数回観戦している。僕らの世代にと
って『UWF』の三文字は良い意味でも悪い意味でも特別で、コレに関わっ
てしまったが故に“格闘技”見方を理解した。まぁ「そうでないもの」
見分けることが出来てしまう、という弊害もあったのだが・・・。

そういうワケで、僕はUWFという言葉に弱い(^^;)。
改めて考えれば、結局いちばん好きなのはアントニオ猪木・藤波辰爾であり、
新日本プロレスなのは明白なのだが、だからこそその“鬼っ子”であるUWFが
気になり続けている。なので、これまで数多く出版されたUWF検証本の殆ど
を読んでしまっている。

もちろんこのムックもその中の一つ、ではあるのだが、漂ってくる雰囲気
違う意味で懐かしい。なんというか・・・あの我が世の春を謳歌していた頃
「週刊プロレス」の匂いが随所に感じられた。奥付があるワケでは無いのだ
が、編集長はおそらく鈴木健.txt。・・・うん、妙に納得が行った。

読み物としても、資料としてもすばらしい価値があると思う。
ちなみに後で調べたところ、電子版は販売されていない模様。購入しといて
良かったかも。

この音とまれ!- 和(あい) -

#熱血琴マンガ


ジャンプSQ・2025年2月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと古い話題になってしまうのだけど・・・。
ジャンプSQ・2月号、12月号から3ヶ月に渡って“演奏シーン”が描かれた
「この音とまれ!」の件。

・・・この3ヶ月、本当に珠玉の展開だった。
文字の類が殆ど無いにも関わらず、時間をかけて何度も繰り返し読ませてくる
正直、僕をいま一番『泣かせる』マンガは、間違い無く「この音とまれ!」
であることは間違い無い。

時瀬演奏『和(あい)』終了した。
3月号は休載となり、4月号以降で大会結果の発表シーンが描かれることになる。
でも、僕はもうその先を積極的に知りたいと思わない。演奏シーンだけで万人
を納得させる、という奇跡を、しばらく反芻したい。

凄いマンガに出会えたことに感謝持って行けるな、この作品は。

ウバステ

#イヤミスの教祖 #ミスリードメーカー


ウバステ / 真梨幸子(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真梨幸子新作。今回は何故か新刊の発売に気付かず、やや出遅れ感
いつもはやたらトキメくタイトルの作品が多い幸子サマ作品だが、今回の
はさすがに若干の抵抗感があった。そのイヤな予感は・・・。

・・・完璧に当たってしまった模様(^^;)。
全盛期に派手目な仕事をし、そのまま前期高齢者に近い年齢まで到達して
しまった女性たちの物語。状況こそ違えど、彼女らはいわゆる「お一人様」
で、しかも生活になんらかの不安を抱えている状況。

正直、状況設定があまりにリアル過ぎて、ページをめくる度に気分が悪く
なる。男性・女性の違いこそあれ、ココに出てくる人たちと僕に年齢差は
殆ど無く、故に共感度が凄まじい。「コレ、オレのこと書いてんじゃ?」
という被害妄想まで出る始末で、読書中にマジで一度吐いた

・・・でも、読むのが止められない
非道い話なのに構成緻密で、相変わらずもの凄いイヤミスぶりを如何無
く発揮。コレはもう、幸子サマにだけ与えられた才能なのだ、と思うしか
無い。

この作品、傑作だけど万人にはオススメできません、残念ながら。
特に生きる意味を見失いがちな50〜60台の人は絶対に読まないように
若い人たちはどんどんどうぞ!!

GONG KAKUTOUGI BEST SELECTION 1968-2017

#格闘技今昔


ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017 / ゴング格闘技編集部
(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kindle Unlimitedのリコメンドに出て来たMOOK
1986年旧「ゴング」から独立するカタチで創刊し、現在まで続く格闘技
雑誌、『ゴング格闘技』の記事から、インタビュー・ノンフィクションを集
めたモノ。

“柔道と柔術”“バーリトゥード・ジャパン”“日本総合格闘技”“MMA、
世界の頂”“空手とは何か”“立ち技格闘技の挑戦”から成る全6章。ゴン格
らしい硬派なチョイスで、木村政彦から那須川天心まで、絶妙なクロニクル
となっている。

僕が格闘技に絶大な興味を示したのは、K-1誕生からPRIDE全盛期その後
までの間。基本はプロレスからの延長であり、その期間が過ぎた後にはしっ
かりプロレスに回帰した。この本からはいわゆる“90年代”の情報が明らかに
欠落しており、そこから逆にゴン格という専門誌の拘りを感じる。そういう
意味では、非常に興味深い「まとめ本」になっている気がする。

ゴン格も創刊から30年を超える長寿雑誌なのだが、この本のタイトルから
『1986年の格闘技』について調べてみた。この頃にはまだK-1が生まれて
おらず、ヒットしたのは新日本プロレスで行われた前田日明とドン・中矢・
ニールセン異種格闘技戦くらい。まぁ、この試合を格闘技の括りに入れる
のは正直アレなのだが、ターニングポイントであったことは間違い無い。
前田vsニールセンが名勝負にならなければ、その後にK-1やPRIDEが出て来
たとは思えないので・・・。

個人的に楽しむことは出来たのだが、こうなると対極の「格闘技通信」から
クロニクル作品を出して欲しいところ。単にあの頃を懐かしむのならば、
格通のチョイスの方がバラエティに富みそうな気がするな、うん。