UFC200・直前でケチが・・・

7月10日(現地時間)、ラスベガスT-Mobileアリーナで開催されるUFCの記念
大会「UFC200」、開催まであと3日というところで大事件が起こった。

タイトルロールであり、メインイベントでもあるUFCライトヘビー級王座統一戦
ダニエル・コーミエ(正規王者)vsジョン・ジョーンズ(暫定王者)が中止発表。
これはジョーンズのドーピングチェックに陽性反応が出たため。

よりによって、という感じ。
UFC200では我らがブロック・レズナーの復帰戦(vsマーク・ハント)も組まれ
ているのだが、やはり注目はメイン。以前はジョーンズに全く歯の立たなかった
コーミエは、今や押しも押されぬ王者。実質的に“無敗”のジョーンズを倒し、
ライトヘビー級最強をアピールする最高のチャンスだったのに、ここでの中止は
本当に気の毒。そういえばUFC197でも同じカードが中止になっているから、こ
の2人はよっぽど噛み合わせが悪いんだろうなぁ、と。

こうなったら、元IWGP王者のレズナーに期待。
でも、PPVの契約件数は落ちるんだろうなぁ、きっと・・・。

モハメド・アリ 緊急追悼番組

「モハメド・アリ 緊急追悼番組 蘇る伝説の死闘緊 猪木vsアリ」本日放映。
あの伝説の一戦アントニオ猪木本人コメンタリーを入れる、という構成
が発表された段階で狂喜していたのだが、それどころでは無い番組だった。

総尺は2時間強
前半30分のモハメド・アリの半生はもちろん見応え充分。ボクシングの試合
リストン戦・フレイジャー戦・フォアマン戦と押さえるべきモノは全て押
さえてあり、ボクシングファンもアリの偉大さが再確認出来る構成。更には
ハドソン川メダル投げ捨て事件徴兵拒否の顛末なども詳細が描かれており、
この段階で既にウルウルしていたのだが・・・。


格闘技世界一決定戦・アントニオ猪木vsモハメド・アリノーカット放送
残りの時間は全てこの試合の放送に費やされた。そして、試合中の2人や
セコンドの声をテロップ化し、伝説の一戦を「解析」。この構成、あま
りに凄い

猪木vsアリはもう何度も観ているのだが、このオンエアほど息が苦しくなっ
ことは無い。猪木がギリギリだったのはこれまでの猪木のインタビュー等
のコメントでよく解っていたのだが、アリもきっとギリギリだった。エキシ
ビションマッチをやるつもりで来日したのに、まさかの真剣勝負。それも、
何をしでかすか解らない男と相対しているのだから、当然のことである。

晩年、アリはUFCの関係者に対し、「MMAの元祖はオレなんだぜ!」と得意
気に語ったという。確かにあの時代にこんな試合をされてしまったら、今の
MMAファイターたちはきっと言葉を無くす。

アリ・ザ・グレイテスト
あと何年経とうが、モハメド・アリを超えるボクサーは多分出てこない。
アントニオ猪木を超えるプロレスラーが出てこないように。

こんな凄い特番を組んでくれたテレビ朝日に感謝。
この番組のおかげで、僕はまだ少し生きていける気がする。

ALI ”THE GREATEST”

プロボクシング元統一世界ヘビー級チャンピオンモハメド・アリ氏逝去。
昨日「呼吸器系の病気で入院」との報が流れ、そこから24時間経過しない
ままの凶報。享年74。

故人とその好敵手に敬意を表し、敬称略にて記載します。

ボクシングの世界王者と言われたら、誰を想像するのか?
その問いに、多くの人々は「モハメド・アリである」と答える筈である。
世界中で一般にもその名前が浸透したボクサーは、僕の知る限り2人しか
居ない。1人はマイク・タイソン、そしてその遙か上に居るもう1人がアリ
アリは抜群のショーマンシップと練習に裏打ちされた正確無比なテクニック
近代ボクシングの雛形を創り上げ、世界中のボクシングファンに愛された

ベトナム戦争の徴兵を拒否し、タイトルを剥奪され、4年近いブランクを
課されながらも克服し、もう一度世界の頂点に立った。
「キンシャサの奇跡」
として伝説になっているジョージ・フォアマン戦
映像は今見ても全く色褪せない。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」
体現出来たのはオールタイムでアリしかいない。
まさしく、世界最高のプロボクサーであった。

そして1976年・日本武道館
アントニオ猪木vsモハメド・アリ格闘技世界一決定戦は、日本、いや、
世界にMMAという概念をもたらした。当時は酷評された試合だが、年月が
経過すればするほど評価された最高にスリリングな攻防。あの試合が無か
ったら、僕は現在までプロレスや格闘技を見続けなかったかもしれない。

晩年、パーキンソン病を患ってからもアリは我々に尽くしてくれた。
アトランタ五輪の聖火点火の時は本当に感動したし、猪木の引退試合の時
に東京ドームでそれと同じことをやってくれた時は感無量だった。
年月が過ぎ、周囲にどれだけ評価されようが、アリはずっと僕らの側、
アントニオ猪木のライバルとして存在し続けてくれたことが本当に嬉しか
ったのだ。

記録にも記憶にも残る偉大なる世界王者に心よりの感謝とリスペクトを
込めて。本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

また、必ずどこかで。

REAL DONKY KONG、Passed Away…


ケビン・ランデルマン
逝去のニュース。
ブラジルのUVFでデビューし、米国ではUFCSTRIKE FORCEで活躍。
日本ではPRIDE戦極IGFのリングでハズレの全く無い試合を魅せてくれた。

ニックネームは「リアル・ドンキーコング」。もちろん日本のファンが命名。
MMAだけでなく、ハッスルのリングでプロレスも行い、その懐の広いファイ
ティングスタイルは我々を唸らせ、魅了した。

圧巻だったのは2004年PRIDE GP
調子に乗りまくったミルコ・クロコップワンパンチでKOしたランデルマン
は、正直「神」に見えた。

享年、たった44。あまりに早過ぎる・・・。
IGFで、もう少しだけ試合をするタンデルマンを観たかった。

謹んでご冥福をお祈りします。
また必ず、どこかで。