日本懐かしオーディオ大全

▼日本懐かしオーディオ大全

実は昨日、もう一冊似たようなMOOKを購入していた。
こちらはカセットテープのようなメディアではなく、ハードウエアである
ところのオーディオ機器。それもJBLやマランツ、マッキントッシュみたい
な高級機ではなく、ラジカセ・ヘッドフォンステレオ・ミニコンポを中心
とした、かなりカジュアルなアイテムが山のように掲載されている。

僕が最初に持ったラジカセはSANYOの「おしゃれなテレコ」こと、U4。
ダックスフントをイメージキャラクターにした横長のデザインは秀逸で、
当時一番人気だった機種。我が家に最初にやって来た“メタルテープ対応”
の機器はこのU4が最初であり、このラジカセの購入を機にTDKのMA-Rを
買ったことを、鮮明に覚えている。もちろんこの機種は冒頭に掲載。やっ
ぱり当時の代表的なラジカセだった、ということが良く解る。

もちろん、下手すれば「世界の音楽の聴き方を変革した」とされるSONY
・WALKMANシリーズは6ページに渡って代表的な機種をラインナップ。
他にも「ああ、あったなぁ・・・」という機器が多々掲載されているが、や
っぱり目を惹くのはパイオニアのミニコンポ・Privateシリーズ。ゴールド
トップのデザインは、これまで発売された全てのオーディオ機器の中で、
いちばん美しい商品かもしれない。

ことラジカセに関しては、今でも「欲しい!」と思うモノが幾つかある。
経年劣化でカセットデッキ部が壊れていたとしても、アンプ・スピーカー
さえ無事ならば、AUXになんらかのプレーヤーを繋いで使用することが出
来るハズ。狙いはSHARP・THE SEARCHERとか、PIONEER・Runaway。
状態の良いのがあれば、買っちゃうかも(^^;)。

こちらの本も堪能! いやぁ、お見事です。
このシリーズ、他にもいろいろあるらしいから、片っ端から読もうかと。
次は「日本懐かし即席めん大全」かな?

日本カセットテープ大全

▼日本カセットテープ大全

打ち合わせの帰りに寄った秋葉原の書泉ブックタワーで見つけたMOOK。
30分・46分・60分・90分・120分でお馴染みのカセットテープに関する
トピックを集めた企画モノ。SONY・TDK・maxellの国内三大メーカーに
関しては、ほぼ全ての製品が写真付きで紹介されている。

・・・いやぁ、懐かしい。
今やすっかり死語となった「エアチェック」や「FM雑誌」、「インレタ」、
そして「ワインダー」や「ヘッドイレーザー」などと言う言葉を見つける度
に心が和む。昔自分のやっていたことがそのまま書いてある本って、なかな
か無いような気がする。

そして驚いたのが、カセットテープの単価は結構高かった、という事実。
TDKを例に取ると、一番安価なDの60分が400円、フラッグシップだった
MA-Rの60分に至っては2,000円もする。今なら秋葉原でCD-Rが200枚買
えちゃうんだから凄い。

もちろん、今さらカセットの時代に戻りたいか?と問われたら、戻りたい
とは言えない。74分のCDは5〜6分でMP3に出来るし、iPodは5,000曲に
近いトラックを持ち運べる。そして、間違い無くカセットより音が良い。
でも・・・。

大袈裟でなく、カセットテープというテクノロジーが存在していなければ、
僕はこんなに音楽を聴く生活をしていなかった筈。カセットという媒体が
無ければSANYOのラジカセを親にねだる事はなかったし、WALKMANを買
う為にアルバイトに精を出すことも無かった。ブートレグのライブ音源は
確実にカセットであり、そこからいろんな曲に出会えた。

カセットテープとはつまり、「オレたちのメディア」。
カセット以前の媒体(オープンリールとか)は敷居が高すぎるし、以降の
媒体は・・・MDというガッツのあるモノもあったが・・・ある種の軽薄感が漂う。
だから、カセットの誕生から衰退までの長い期間を、カセットと共に歩めた
人生を、僕は誇りに思う。

カセットテープに大いなる愛を。
46分に情熱を詰め込めた時代が、僕にはちゃんとあったのだから。

護られなかった者たちへ

▼護られなかった者たちへ / 中山七里(Kindle版)

続けて中山七里作品。
この作家の作品、わりと良いペースで読んでいる筈なのだけど、まだまだ読
んでない作品多々。そんな中から、かなり新しめの作品をチョイスしてみた。

今回のキーワードは「生活保護」。最近では複数の芸人の身内が不正受給を
していたことで話題になった社会保障の一つで、この作品にも一瞬そのネタ
が登場する。だからと言って、笑うに笑えない。そういう種類の本である。

・・・この作品で描かれているような事態が今現在の日本の生活保護の実態だと
するのなら、もう本当にやり切れない。中山七里が想像だけで作品を構築す
るタイプの作家だとは思えないし、このネタを作品にする、ということは、
おそらく綿密な取材の上に成り立っているモノな気がする。だとするならば、
今の日本の何を信頼すればいいのか? そういうことを随時考えてしまうくら
いの問題提起作であることは間違い無い。

久しぶりに、本を読んであまりのやるせなさに涙した。フィクションとは言
え、こんなワケの解らない不幸はやっぱり許せない。ここまで犯人に肩入れ
して読んだミステリー、最近では無かった。

そして、この作品では中山七里の「どんでん返しの帝王」たる由縁が顕著。
終わってみればスッキリ納得出来るのだが、読んでいる途中では全く予想出
来ない結末を思いつくところがただただ凄い。

いわゆる「役人」。特に根性まで役人に染まってしまうような浅い連中には、
必ず読め、と過激に強制したくなる。役人が100人居たとして、その100人
を悪人と言う気は無いが、とにかく役人を攻撃したくなる。役人でなくとも、
暴力衝動を抑えられる人は読んでみて欲しい。是非。

月光のスティグマ

▼月光のスティグマ / 中山七里(Kindle版)

中山七里の作品は、読み始めるとハマりそうなドビュッシーシリーズを除い
てあらかた読破したのだが、それでも残している作品がいくつかはある。
参考にするのはAmazonの★の数で、評価が高いモノから読んでいたのだが、
何故かたまには「評判の良くない作品」に手を出してみよう、という気に。
で、チョイスしたのがコレなワケだが・・・。

・・・いや、普通に面白いですよ、コレ(^^;)。
確かに「帝王」とまで称される終盤のどんでん返しに関してはいつもより食
い足りない感こそあるものの、スピード感の溢れる心情描写はやっぱりスリ
リング。ネタになっている2つの震災は実際に起こったモノで、その辺りは
多少心に引っかかるモノがあるのだが、決してソレを無駄にせず、キッチリ
したドラマを構築してくるのはさすが。

そして、かなりビックリしたのがいわゆる「濡れ場」の生々しさ。
ちょっとした官能小説よりもリアルで淫靡なのは、元々この作家が持ってい
た資質なのだろうか? 少なくとも僕は初めてだったので、少々面食らいなが
らドキドキした(^^;)。他にもあるのかなぁ、こういうの。

結局、「人の評価」というのはつまり「他人の評価」。
レビューに振り回されるのは良くないな、やっぱり(^^;)。

4ページミステリー

▼4ページミステリー / 蒼井上鷹

「出られない5人」が面白かったので、蒼井上鷹の他作品をあたったところ、
まぁ面白そうなタイトルの作品が目白押し。ミステリーもユーモアも両方好
きな僕としては、選び甲斐のあるラインナップ。しかし、何故かチョイスし
たのがこの作品「4ページミステリー」だった(^^;)。

双葉社の雑誌「小説推理」の人気連載「2000字ミステリー」を集めたモノ。
1篇4ページ相当のミステリーが、なんと60篇も掲載されているから、そうい
う意味でのお得感(^^;)はあると思う。が、いわゆる長編にすっかり慣れた身
としてはさすがにちょっと食い足りない感は否めず。途中で投げ出しちゃう
のかなぁ、とか思っていたのだが・・・。

夢中にこそならないものの、約1週間の間コンスタントに読み続けられちゃっ
たのだから不思議。1篇が4ページだから非常にキリが良く、移動中のちょっ
とした時間に1篇読む、というスタイルの読書はなかなか新鮮だった。

・・・ まぁ内容的に無理のあるトリックもあったが、概ね満足出来る内容。
なんならちょっとマネして2000字の短編を書いてみようか、という意欲まで
沸いた。無論、意欲だけで実際に書いてはいないのだが(^^;)。

ちなみにコレ、続編も発売中。取り敢えず何か1作読んだら、引き続き移動の
お供に電子書籍で持っておくのも良いかと思われます。忙しい人にオススメ!