HACK

#最新式電脳亜細亜


HACK / 橘玲(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いたらUnlimited強化月間、次は橘玲HACK
昨年10月にリリースされた作品で、作者の橘玲氏にとって14年振りの新作、との
こと。かなり長い小説だが、入院3〜4日目で一気に読み終えた。

2000年代前半によく観られた“ハッカー”の物語。
主人公はタイ・バンコクに本拠地を構える日本人ハッカーで、最新技術を駆使し、
グレーゾーンのど真ん中(?)を歩む人、樹生(たつき)。仮想通貨を利用した
マネーロンダリングでそこそこのを成し、ある意味で“成功者”として悠々自適
の生活を謳歌。そんな樹生に、ある日本人女性から連絡が・・・という感じ。

ここ30年で実際に起こった電脳系事件が多々登場する、わりと壮大な作品
地下鉄サリン事件まで絡ませた胆力には感心させられたのだが、如何せん色んな
モノを詰め込み過ぎな感。食べ物書籍に関する描写はハッキリと「邪魔」で、
その辺りを読んでいると折角の緊迫感台無しになる。そういう整理が行き届い
ていれば、かなり凄い作品になった気がする。ちょっと惜しかったなぁ・・・。

ちょっとおもしろかったのは、冒頭から最後まで、結構重要な“チョイ役”として
登場する「沈没男」。この人のモデルが、ネット黎明期に電脳亜細亜系ハッカー
として活躍し、現在かなりの没落ぶりを見せているあの人・・・ク●●ン黒●に、
どうしても重なる(^^;)。あの人、今どうしてるのかなぁ・・・。

婚活マエストロ

#パーティーorアプリ


婚活マエストロ / 宮島未奈(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緊急入院で基本は絶対安静。出来ることと言えばYouTube視聴電子書籍閲覧
らいなのだが、ココでKindle Unlimitedが大活躍。まずは成瀬シリーズで僕を虜に
した宮島未奈作品をサクッと。

今回はいわゆる“お仕事系”
40歳・不惑を迎えた今も尚、大学時代と同じアパートに住み続け、在宅のフリー
ライターとして辛うじて生計を立てている猪名川健人が、ひょんなことから婚活
事業会社紹介記事執筆依頼された。打ち合わせの流れから、その会社の婚
活パーティーに緊急出席することになるのだが、そのパーティーを仕切っていた
のが「婚活マエストロ」の異名を取る鏡原奈緒子。奈緒子の有能ぶりに度肝を抜
かれた健人は、俄然“婚活”に興味を持ち始め・・・という内容。

成瀬シリーズにはあった「青春要素」、さすがにこの作品では皆無(^^;)。
宮島女史の作品でコレが無いのはかなりのマイナスなのだが、今作品に登場する
婚活パーティー運営三文フリーライターという“職業”が、わりと僕にフィット。
おかげで最後まで飽きずに読み切ることが出来た。

成瀬の時ほどのインパクトは無いが、ポップで読みやすく、テンポの良い文章は
こちらでも健在。宮島未奈、僕の中で「読書に困った時」読む作家の仲間入り。
良い作家だな、実際。

成瀬は都を駆け抜ける

#島崎も世界を取りに行け!


成瀬は都を駆け抜ける / 宮島未奈(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮島未奈・ 成瀬シリーズ第三弾
大人気シリーズと化したようなのだが、コレがシリーズ最終作らしい。ならば確認
すべきは「成瀬がどう世界を取ったか?」ということになると思うのだけど・・・。

今回の作品は、京大生としての成瀬にスポットを当てた構成。
日本でも一二を争う最高学府へ当たり前のように入学、そこで出来た次の目標は
「京都を極める」こと。自身の地元である大津琵琶湖へのはそのままに、京都
を深掘りしていく姿勢が非常に潔い。登場人物たちも既存・新規に関わらず皆がや
っぱり個性的。特に広島の西浦くんには、良き人生が待っていることを切に願う。

そして、ハイライトはやっぱり相方・島崎の名言
この言葉が、思わず「グ・・・」となってしまうくらいステキな発言。こうなったら
もう、島崎も成瀬と一緒に世界へ打ってべるべきだ、と素直に思った。

・・・ハッピーエンド、なんだろうなぁ、きっと。
でもこれ、ココで終わって本当に納得出来る人が何人居るのか、非常に疑問。
個人的には、成瀬あかりが建立した大津のデパートの様子が是非知りたいところ。
何十年か先で構わないから!

成瀬は信じた道をいく

#世界は成瀬についていく


成瀬は信じた道をいく / 宮島未奈(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮島未奈成瀬シリーズ第二弾
まずは表紙に注目。今回、我らが成瀬『びわ湖大津観光大使』として活躍するこ
とが確定お前の他に誰がやるんだ?くらいのザ・はまり役、話の中身を想像する
だけでもうキュンキュン来る(^^;)のだが。

今回も成瀬は、我々の期待を裏切らず、真っ向から意表を突いて来た(^^;)。
もちろん主人公が成瀬あかりである限り、通常展開が起こることは考えにくく、こ
ちらも何かが起こる、と踏んで読んでいるワケだが、その“持って生き方”があまり
破天荒。まぁ、観光大使やら小学生の弟子やらはすぐに納得が行くのだが、クレ
ーマー(を止めたい)主婦のエピソードはあまりに斜め後ろで、読み終わった瞬間
こういう方法論もあるのか、と感心してしまった程。

で、個人的にはゼゼカラ盟友・島崎との、ほっこりしたすれ違いの連鎖の話が非
常に好み。成瀬を形成する重要なピースである島崎との友情も、このシリーズの大
きな魅力、だと思う。

・・・さて、僕は今ちょっと困難な場所に居る。
いろいろヤバイのは確実で、今後に影響も多々あると思う。だからこそ僕は・・・。
「この1月を、森山に捧げようと思う」。なんとかなるぜ、きっと。

成瀬は天下を取りにいく

#取るべきオンナ


成瀬は天下を取りにいく / 宮島未奈(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年度本屋大賞受賞作品
ずっと気になっていた本なのだが、表紙キャッチコピー「今さらオレが読んで
いいのか?」逡巡していた次第(^^;)。幸か不幸か、コレがUnlimited扱いになっ
ていたので、思い切って読んでみた。

誤解を恐れずに言えば、『変わりモノの女の子』の話。
200歳まで生きることを決意し、そのためにやるべきことを突き詰め、そのための
知識を幅広く拾うことに余念が無い。さらに幾つも目標を立て、それに邁進する。
どれもそこそこの達成率を誇るにも関わらず、本人は「その中の一つでもモノにな
ればいい」と思っている。健康状態超優良成績トップレベル、己の信念に対
して忠実。それが故にコミュニティから弾かれることも多々。それが、本編の主人
である成瀬あかり、である。

・・・いや、凄い
文章のテンポがすばらしく、親友であり漫才の相方である島崎を始め、主人公以外
のキャラクターも全てが魅力的。舞台となる滋賀県大津市、そして琵琶湖に関する
描写も秀逸で、ちょっと行ってみたくなるくらいの圧倒的な共感力そりゃあ本屋
大賞取るわ、と至極納得した。

そして成瀬
思い返してみると、クラスの中に稀にこういう子が居たな、と思った。僕は成瀬の
ような女の子に非常に弱く(^^;)、ちょっかいを出しては嫌われる、ということを
繰り返してきたような覚えも。未だに信念を持っている女性無条件で応援してし
まうし、時々突拍子も無い発言をする女性おもしろくてしょうがない。そういう
人を、近くで見ていたい、という島崎の気持ちが、本当に良く解る。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
突然こんなことを言い出す中学二年生女子、魅力を感じるな、と言う方が無理。
この年になって、こんなステキな青春小説に出会えた幸福を、僕は反芻している。

成瀬シリーズ全3冊。続編2冊?とっくに買ったわ、んなもん(^^)!