殺しの許可証

#公安ブラックユーモア


▼殺しの許可証 アンタッチャブル2 / 馳星周

先月初めに読み終わり、その段階で続編を購入してあった馳星周単行本
レビューまで間が空いたのは、買った事実を忘れていたから、とは口が裂
けても言えない感じ。

捜一から公安に飛ばされた宮澤は、どういうワケだかアタマのオカシイ上
司・公安アンタッチャブル椿に気に入られ、椿の助手としては最長の勤
務記録を今も更新中。おかげで捜一への復帰など考えられない状態なのだ
けど(^^;)。そんな折、現政権の起こした不祥事に関係した、と思われる関
係者が次々に死亡。椿は官邸の関与を指摘、宮澤も渋々その捜査に付き合
うのだが・・・という内容。

公安モノなのに妙に笑える、というのは前作と同じ。違うのは、今回絶対
的なヒールとして登場する官邸チームのモデルが、間違いなく安倍政権
あるということ。そういえば森友・加計問題自殺した官僚が居たが、も
しかしたらその辺りにインスパイアされて書いた作品なのかも。

しかし、前作と比較してストーリー展開にかなり無理がある気が。もちろ
ん一応の辻褄は最終的に合うことにはなるのだが、あまりの荒唐無稽さ
さすがに少し呆れたほど(^^;)。

まぁ、つまらないワケでは無いのだけど、起こっている事件がそこそこシ
ビアなのに、肝心なところをウヤムヤにしている感は否めず。続編を読み
たくなる作品であることに変わりは無いので、次回はもう少しだけしっか
りした物語になると嬉しい!

大泉洋のホラ話①

#喧嘩太鼓


▼水曜どうでしょう ~大泉洋のホラ話~ ① / 大泉洋・星野倖一郎

とんでもないマンガ第1巻が発売された。
HTB「水曜どうでしょう」に於いて、大泉洋が口から出まかせで語った各種の
ホラ話を、なんと劇画にしてしまう愛すべきバカ(^^;)が。

収録されているのは、東映映画にもなった(?)「喧嘩太鼓」、軽井沢での
荒々しい恋を描いた「チャタレイ夫人との恋」、そして豪州で地元勢を相手に
した呑み比べエピソードの「男と酒(英題:Men & Alchol)」

どれも魅力的なエピソードなのだけど、まさかコレらを大真面目にマンガにす
る作家が居るとは思わなかったですよ、ええ(^^;)。

・・・そして、1巻が出た、ということは2巻もある、ということ(^^;)。
本当にバカのやることは全く・・・という思いもあるが、それ以上に2巻が楽しみ
でしょうがない。オレもバカだなぁ、って思うよ、本当に(^^;)。

根腐れ

#ストロベリーナイト


▼根腐れ 警部補・姫川玲子 / 誉田哲也(Kindle版)

誉田哲也のシングル。
今回も姫川玲子・ストロベリーナイトシリーズで、今作の語り部は、姫川班
いちばんの若手、小幡浩一巡査部長。部下から見た姫川玲子有能さ異常
、何よりも鋭さが描かれている。

面白かったのは、このエピソードが取調室だけで完結していること。捜査シ
ーンの類は一つも無く、取り調べだけで容疑者(?)を追い詰める姫川班長
はやはり切れ者で、その格好良さは警察小説に出てくる女性キャラの中では
間違いなくNo.1。また惚れ直しましたよ、ええ。

そして、ストロベリーナイトシリーズを読んでいると、どうしても思い出し
てしまうのが竹内結子の不在。どんなにすばらしいエピソードが誕生し
ても、もう最高の映像化は無い、というのがあまりにも・・・。二階堂ふみじゃ
ちょっとなぁ・・・。

暗手

#八百長野郎!


▼暗手 / 馳星周(Kindle版)

こないだ読んだ「夜光虫」の刺激が収まらず、続編を購入。馳星周強化月間
は終わる気配を見せず(^^;)。まぁ、退屈しなくていいのだけど。

続編とは言いつつも、夜光虫からなんと19年ものブランクを空けてリリース
された作品。最近文庫になったので、単行本の発売からも3年が経過している
計算になる。

前作ラストで「殺し屋」に変貌した加倉。整形で顔も変え、台湾や中国では
“悪霊”の二つ名が。そんな加倉の現在地はなんとイタリア・ミラノ。殺しは
封印し、今度は野球ではなく、欧州各国の国技とされるサッカー賭博で生計
を立てている。現在の異名、それがタイトルの「暗手」
そんな加倉に、セリエAで活躍する日本人ゴールキーパー八百長をさせろ
という依頼が。動き出した加倉だが・・・という内容。

前作は紛うこと無きノワールな上に、新人らしいワイルド荒削りな文体が
迫力を出していたのだが、今作はやはり趣が違う。今の馳星周は直木賞も取
った超一流の作家であり、勢いに任せる必要が全く無い。状況が良く理解で
きる的確な構成と、渋さ漂うカッコイイ文章は、前作よりも確実に読ませて
くれる作品

今後の展開をバシバシ予感させるラストだが、果たして続編はいつになるの
か、今から楽しみ。さすがに次は19年も間を空けないと思うので。

週刊プレイボーイのプロレス

#1990年代のWPB


▼週刊プレイボーイのプロレス / 佐々木徹

かつての週刊プレイボーイ名物編集者佐々木徹氏の作品。
まさかこんなタイトルの本が、G SPIRITS BOOKとしてリリースされるとは夢
にも思わなかった。

80年代中盤、新生UWFがブレイクした頃の我々はとにかく「情報」を得るこ
とに貪欲だった。週刊プロレス・週刊ゴング・週刊ファイトの3誌は必ず購入
し、下手すれば駅売りの東スポも毎日買う。裕福だったワケでは無いので、
とてもじゃないが一般誌などに金は使えない。週プレにプロレスの記事が掲載
されていたとしても、それを買うことはほぼ無かった。

・・・にも関わらず!
僕はここに掲載されている記事のほぼ全てに覚えがある(^^;)。おそらく書店
での立ち読みが殆どで、手元に置かない雑誌だから余計に覚えたのかと。今に
して思うと、プレイボーイを真剣に立ち読みしている図、というのは、あまり
好ましいモノでは無かったかなぁ(^^;)。

とにかく佐々木さんの手掛けたプレイボーイのプロレス記事が、ジャンル
時系列でしっかりまとまっている意欲作。やたらがある上に1ページ2段組
膨大な文字量なのにも関わらず、文章を追いかける作業が全く苦にならない
専門誌にあるような良い意味での暑苦しさ胡散臭さからかけ離れた表現を
当時は「新鮮」に感じたのだが、今改めて読み返すと「カッコイイ」
きっとそれがWPBプロレスの真骨頂なのだ、と思う。

章間の書き下ろしエピソードも含め、トータルで完成された一冊
佐々木さんが相変わらずプロレスに「熱い」ことが、本当に嬉しくてならない。
もう一度、あの頃のノリでプロレスが観たいなぁ・・・。