K-1 WGP 2020 K’FESTA.3

#ヒーローを泣かすなよ!


非難囂々の「K-1 WGP 2020 K’FESTA.3」。
開催に関する云々はアッチでいろいろ書いたのでご参照を。ここでは、
セミに登場したK-1のエース武尊について。

コロナ騒動にまつわる対戦相手の変更に加え、折からの調子の悪さが
ピックアップされていた武尊だが、試合では見事にムエタイの強豪、
ペッダム・ペットギャットペット2RKOに切って落とした。武尊ら
しい豪快な試合だったのだが、問題はその後のマイクアピール

・・・泣かすなよ、武尊を(–x)
涙のマイクアピールは、間違い無く神童・那須川天心との試合の実現
を願ったモノ。世間からは「逃げている」とされているが、この表情
を見ると、それが武尊の本意では無かったことが一発で理解出来る。

ずっと新生K-1の象徴で在り続けた武尊。そんな功労者を、公の場で
涙させてしまったのは、一体誰なのか? そろそろハッキリさせるべき
だと思う。

おそらくK-1運営側は「もしかしたら負けるかも?」があるから、い
くら武尊自身が夢のカードを訴えても実現を拒否した。時間が経てば
経つほど武尊が不利になるにも関わらず、だ。

何が罪なのかと言うと、現状の武尊と天心では、3:7くらいで天心
の方が実力が上、と判断されること。これがもし3年前であったら、
本当にどうなるか解らない極上のマッチアップだったと思う。

・・・遅きに失した感はあるし、武尊が完敗する場面も見たくは無い。
でも、武尊がこの試合を欲するのであれば、それを見届ける覚悟は
こちらにもちゃんとある。

それでも実現しないのなら、そんなプロモーションに価値など無い。
Knock Outに移籍してもいいんじゃないかな、本当に。

昭和プロレス正史(下)

#フミヒコナラティブ


▼昭和プロレス正史 下巻 / 斎藤文彦(Kindle版)

やや迷ったが結局速攻で下巻を購入したフミ・サイトーの大作。
その時代毎に重要とされる記事、いわゆる活字プロレスを並べて昭和
プロレスの歴史を語る、という手法は上巻と同じだが、こちらはアン
トニオ猪木ジャイアント馬場が日本プロレスを脱退し、それぞれが
独立した時代以降がテーマ。感情移入がし易くなるのと共に、覚えて
いる記事が幾つもあった。

感慨深いのはやはり猪木・アリの世紀の一戦に関する記述集。
あの頃はまださすがにプロレス雑誌を購読する習慣はなかった筈なの
だが、どういうワケだか「猪木が非難囂々の状態にあった」というの
は理解していた。僕にとっては試合内容云々よりも「猪木が負けない」
ことの方が重要であり、皆が「退屈」と表現した15ラウンドを、固唾
を呑んで見守っていたから、引き分けに終わった時は正直ホッとした。
更に「次やれば猪木が勝つ!」と信じていたから、あの酷評の嵐には
幼いながらも憤りを感じたことを覚えている。

一般紙やスポーツ紙が報じた酷評、それがどんな記事だったのか?が
大まかに理解出来ただけでも収穫だが、何よりも普段から“猪木嫌い”
を自称していたライターの菊池孝さんが、しっかりと中立の位置です
ばらしい観戦記を書いていた事実が嬉しい。この記事が読めただけで
この本を買った甲斐があった気がする。

フミさん自身の書いた前田日明ブルーザー・ブロディの記事も秀逸。
一言一句では無いが、それを殆ど覚えていた僕の無駄な記憶力にちょ
っと呆れもしたけど(^^;)。

上下巻、もの凄いボリューム。
電子書籍だと束が解らないのだが、先日水道橋の書店でこの本を見て、
その分厚さにちょっとビビったほど。僕ら世代のプロレスファンは読
んでおくべき大作。凄かったです!

ストロングスタイルプロレスvol.5

#STRONG STYLE


リアルジャパンプロレス「ストロングスタイルプロレスvol.5」
後楽園ホール大会。このご時世に大会を開催するのは賛否両論があ
るとは思う。しかし、リアルジャパンは一環して「開催」を訴えた。

お世辞にも客入りが良かったとは言えないが、主催者側も、そして
観客も、久々に行われる「聖地のプロレス」堪能していたように
思う。もちろんリアルジャパン側のコロナ対策も完璧で、会場入口
での検温や非所持者に対するマスクの配布、会場の扉を開放したま
まにするなど、出来る限りの全てを行っていた。

試合もなかなか見どころが多かった。
第二試合で組まれたリアルジャパン初の女子プロレス、団体の性格
から考慮すると難しいと思ったが、結果的にはこの日のベストバウ
と言っても良い熱戦に。松本都、凄く良い仕事をした!いっその
こと、「リアルジャパン女子」を名乗ればもっとおもしろい。

メインに登場したレジェンド王者、我らが藤田和之は、NOAHでも
タッグを組む杉浦貴と組み、スーパータイガー関本大介と対戦。
スーパーをほぼ子ども扱いして快勝した藤田は、説得力たっぷりに
「オレがリアルなんだよ!」と絶叫。唯一のRJ所属であるスーパー
は、確かにもっと頑張らないといけない気がする。

今日を皮切りにボチボチ後楽園ホールでの興行を再開する団体が出
てくるらしい。こういう熱気があるのなら、病気の方が逃げて行く、
という新間さんの話を信じたいなぁ、僕は。

WRESTLEMANIA 36 without UNIVERS

#WM36


もしかしたら、とは思っていたのだけど・・・。

4/5フロリダ州タンパで行われる予定だった世界最大のプロレス
イベント、WWE  WRESTLEMANIA 36が、無観客試合になることが
決定。無論、レッスルマニアの歴史でも初めてのこと。

大会自体はWWEのパフォーマンスセンターで開催され、ネット配信
PPVで観戦可能なのだが、あまりに残念なことが幾つか。

まず、功労者を表彰するHALL OF FAMEが中止になったこと。
今年は獣神サンダー・ライガーの殿堂入りが決まっており、その姿
を見るのを楽しみにしていたのに・・・。

そして、WRESTLEMANIA WEEKの便乗企画として行われる予定だっ
各団体のビッグマッチも軒並み中止。その中には新日本プロレス
の選手が出場する試合も含まれている。WWEはともかく、その他の
小規模な団体にこの中止は痛い。

・・・もう、なんとかなんねぇかな、この状況。
下手するとプロレスが死んじゃうよ、マジで。

昭和プロレス正史(上)

#フミヒコナラティブ


▼昭和プロレス正史 上巻 / 斎藤文彦(Kindle版)

コロナ騒動でやたら読書が進むのだが、比例して予算膨大に。
読書に関する予算は、と決めている僕だが、さすがにちょっと気が
とがめる(^^;)ので、Unlimitedで候補を物色。かなり読みたかった本
がリストされていたので、即ダウンロードした。

僕らの世代が強烈に憧れたプロレスジャーナリスト、フミ・サイトー
こと斎藤文彦氏の著書。著書というよりはもう完全な「研究本」
体裁を成している。

この作品でいう「昭和プロレス史」とは、なんと活字プロレスの歴史
力道山が日本へ持ち込んだ、とされるプロレスの「記事」を書いてい
た伝説の記者さんたちの文献を「発掘」した上で「引用」し、それに
フミ・サイトーならではの解説を付ける、という形式。アプローチの
方法から構成・組み立てまで、やたら斬新な上にアカデミック。さら
先達へのリスペクトが端々から感じる、気持ちの良い本。

上巻の主役は力道山の記事を書いた田鶴浜弘氏、鈴木庄一氏、そして
櫻井康雄氏の3名。昭和のプロレスファンなら必ず名前を知っている
高名なプロレスライターたちが書いた記事が見事に整理され、壮大な
ノンフィクションとして成立しているのが凄い。サイトー氏がこの作
品で魅せた「ナラティブ」という表現は、今後僕のトレンドワードに
なりそうな気がする。

こんな大作をサブスクで読める、という幸運。
・・・しかし下巻は購入せねばならない。ちょっと高価だけど。