昭和プロレス正史(上)

#フミヒコナラティブ


▼昭和プロレス正史 上巻 / 斎藤文彦(Kindle版)

コロナ騒動でやたら読書が進むのだが、比例して予算膨大に。
読書に関する予算は、と決めている僕だが、さすがにちょっと気が
とがめる(^^;)ので、Unlimitedで候補を物色。かなり読みたかった本
がリストされていたので、即ダウンロードした。

僕らの世代が強烈に憧れたプロレスジャーナリスト、フミ・サイトー
こと斎藤文彦氏の著書。著書というよりはもう完全な「研究本」
体裁を成している。

この作品でいう「昭和プロレス史」とは、なんと活字プロレスの歴史
力道山が日本へ持ち込んだ、とされるプロレスの「記事」を書いてい
た伝説の記者さんたちの文献を「発掘」した上で「引用」し、それに
フミ・サイトーならではの解説を付ける、という形式。アプローチの
方法から構成・組み立てまで、やたら斬新な上にアカデミック。さら
先達へのリスペクトが端々から感じる、気持ちの良い本。

上巻の主役は力道山の記事を書いた田鶴浜弘氏、鈴木庄一氏、そして
櫻井康雄氏の3名。昭和のプロレスファンなら必ず名前を知っている
高名なプロレスライターたちが書いた記事が見事に整理され、壮大な
ノンフィクションとして成立しているのが凄い。サイトー氏がこの作
品で魅せた「ナラティブ」という表現は、今後僕のトレンドワードに
なりそうな気がする。

こんな大作をサブスクで読める、という幸運。
・・・しかし下巻は購入せねばならない。ちょっと高価だけど。

獣神サンダー・ライガーチャンネル

#ライガーチャンネル


年頭に引退した獣神サンダー・ライガーYouTuberに。
「獣神サンダー・ライガーチャンネル」はチャンネル登録100万人を目指
して開設されたのだが、これがまぁおもしろい。

↑↑こちらは既に2本目のビデオだが、今もライガーが住んでいる新日本
プロレスの道場&合宿所をライガー自身が紹介するプログラム。見どころ
はやっぱり「ホビーの巣窟」と化しているライガーの部屋。獣神サンダー
・ライガーが造形家としても超一流だということが一目瞭然。あのゴジラ
なんて、オークションに出したらいくらの値が付くのか見当もつかない。

引退してもずっと「僕らのライガー」でいてくれるのが本当に嬉しい。
マジでおもしろいので、是非皆さんもチャンネル登録を!

DARK SIDE OF THE RING

#戦慄のドキュメント


昨夜、huluのリコメンドに突如登場した番組が↓↓コレ。

ダークサイド・オブ・ザ・リング
アメリカンプロレスで起こったスキャンダラスな事件について、当時の関
係者たちからのインタビューを撮り、再現イメージと共にまとめたモノ。
シーズン1・全6本のうち、5本までを一気に観てしまった。

日本でもお馴染みのエピソードは、ブルーザー・ブロディの惨殺、ランデ
ィ・サベージとその妻エリザベスの狂乱の恋物語、ブレット・ハートのモ
ントリオール事件の真実、そして呪われたフォン・エリックスというとこ
ろ。どのエピソードも生々しい衝撃に溢れているのだが、特にブロディと
エリックスの回に関しては、途中で思わず涙してしまった程。

そして、正直よく知らないゴージャス・ジノ・ヘルナンデスのエピソード
に戦慄を覚えた。新日本プロレス参加直前、薬物の過剰摂取が原因で28歳
の若さで帰らぬ人となったジノ。自殺説・他殺説が流れたあの事件に、悲
しい決着を付けているところが凄い。

後は女子プロレスの女王、ファビュラス・ムーラのエピソードを残すのみ
だが、コレもかなりディープな内容になりそう。なぜ今この時期に、こん
なドキュメンタリーが突然配信されたのか・・・。

そして、↓↓がシーズン2のトレーラー。

・・・クリス・ベノワの名前がある。
シーズン2が配信になった時、これを観るべきかどうか迷っている・・・。

無観客・路上電流爆破デスマッチ

#DDT #爆破バット


昨日、さいたまスーパーアリーナ(全域)で行われたDDT・路上プロレス
コロナ騒動の最中であってもDDTの攻勢は止まらず、無観客試合を何度も
組んでいる。無論、さいたまスーパーアリーナであっても無観客。アーカ
イブをabemaTVでチェック。

注目はメインで組まれた路上電流爆破デスマッチ
正直、僕はあんまり大仁田厚が好きでは無い(^^;)のだが、こういう現場
での入れ込み方はさすがの存在感。竹下との絡みを何気に実現しちゃって
るところも凄い。

・・・そして爆破バット破壊力
メインが行われた場所はメインアリーナの入口前広場であり、近隣には
JRの駅やオフィスビル、民家などが普通にある。ここで4回くらい爆破
させちゃったんだから、周囲の人はやたらビックリしたと思う。

娯楽の制限される時期に、ここまでやってくれる団体があるのは嬉しい。
今日ばかりは大仁田厚を認めよう。ジャンポケ斉藤にも感謝!

鉄人ルー・テーズ自伝

#鉄人 #岩石落とし


▼鉄人ルー・テーズ自伝 / ルー・テーズ(著) 流智美 (訳)(Kindle版)

Kindleのリコメンドに出てきた作品。
当初、僕はもうとっくにこの本を読んでいる、とばかり思っていたのだが、
内容がとんと思い出せず。せっかくKindle版が出ているのだから、念の為
に買ってみよう、ということで手に入れたのだが、驚いたことに初見(^^;)。
こういう勘違いもあるのか、と。

誰もが二十世紀最高のプロレスラーと評価し、バックドロップという説得
力に溢れた技を駆使して、NWA世界王座6度も就いた不世出の名選手。
連勝記録936。937戦目にレオ・ノメリーニのタックルでリングアウト
負けを喫したが、すぐにリベンジ。その後も精力的に闘い続け、50代
なっても各地で世界王者になっている。

・・・というのが僕の中に小学校低学年の頃にアタマに叩き込まれたルー・
テーズの知識(^^;)。全盛期のテーズの姿はもちろんリアルタイムで観てい
ないが、少なくとも“鉄人”ルー・テーズに関する知識はかなり持っている、
と思っていた。が・・・。

知らないことばかりだった、と猛省
おそらくテーズ自身が日本のコアなファン向けに書いたと思われる文章は
無駄を全く感じないコンパクトさ。かといって手が抜かれているワケでは
なく、必要なことは全て網羅されているのが凄い。

やはり全盛期の世界王者時代の話がやたら面白く、テーズの頃のプロレス
今とは別のモノであったことを改めて認識できる。もしあの時代にMMA
が存在していたら、トップはプロレスラーが独占していたに違いない、と
確信出来る。

そして注目は章間にインサートされている翻訳者・流智美氏の解説。
時代背景を整理した上に、流氏ならではのトピックが記載されているので、
飽きることなく読める。

プロレスラーの「自伝」の類は何冊も読んできたが、コレはその中でも特
秀逸。何故読んだ気になっていたのかは、未だに謎なんだけど。