村田諒太、初防衛に成功!

#ミドル級王座を防衛する意味


井上尚弥の活躍もあり、やたらと盛り上がった2019年の日本ボクシング。
今年最大にして最後のビッグマッチは、この男の試合であった。

WBA世界ミドル級チャンピオンシップ
正規王者村田諒太に、KO率80%のカナダ人、スティーブン・バトラー
が挑んだ一戦。この試合、村田がかなり苦戦すると思っていたのだが・・・。

1Rから主導権を握ったのは村田。バトラーも重そうなパンチを振り回して
来るのだが、村田の屈強なガードがなかなか越えられない。序盤、ボディ
への攻撃が何度か村田を捉えたのだが、その殆どをクロスガードで防いで
見せた村田に唸る。3Rくらいで負けは無い、と確信した。


KOラウンドである5Rの村田の攻撃は本当に見事だった。
回復の早い新鋭を手玉に取り、ロープに追い詰めた上での左フック。タフ
なバトラーもこの攻撃には耐えられず、ノーカウントで村田のKO勝ち。
思わず快哉を叫んでしまった。

試合後のインタビューで村田本人が語ったように、これからは「リアル」
な試合をするべき。となると、相手はカネロゴロフキンの2択。正直言
って勝つのは非常に難しい相手だが、もしかしたら、があるかも。
今日の村田はそれを充分に期待出来るファイトを魅せてくれたと思う。

ミドル級の世界王座を日本人が防衛したのはコレが初めてな気がする。
今回はその偉業を称えると共に、今後良い意味での「番狂わせ」に期待。
1:10の確率だが、もしかしたら村田諒太は僕らに夢を魅せてくれるかも

WORLD TAG LEAGUE 2019

#年末の風物詩までもうすぐ!


新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE 2019」が本日最終戦
このシリーズ、最初に開催された時は正直「捨てシリーズ」だと思っ
ていたのだが、今年は本当に面白かった

全16チーム総当たり、決勝戦は特に設けず、獲得した得点が一番多い
チームが優勝、というルール。各チームが15試合の公式戦をこなさね
ばならない過酷な形式であり、毎日試合結果をチェックするのが楽し
みになったくらい。前半の鈴木軍同門対決は紛れもない名勝負だった
し、これまでずっとイマイチだったKENTAが存在感を増した。そうい
う意味で、ようやく意義深いシリーズになったのかも。

優勝したのはジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー
この意外な結果がまた良かった。ジュースはもちろん、フィンレーも
ジェイ・ホワイトに劣らないスターになる可能性大。来年に向けてこ
の2人が飛び出したのは喜ばしい限り。

正直、参加チームのバランスに難があったのは否めないが、こういう
試合が続くのであれば「年末はタッグリーグ」というのが久しぶりに
一般的になる可能性も。願わくば、かつてのハンセン&ホーガン組
ベイダー&ビガロ組のような、プレミアム感のある外人タッグが欲し
いかな?

ともかく、予想外に面白いシリーズでした! 来年も期待しよう!

憧夢超女大戦 25年目の真実

#闘強憧夢


▼憧夢超女大戦 25年目の真実 / 小島和宏

最近「XXの真実」というタイトルのプロレス本のリリースが多い。
令和に入り、プロレスファンの「入れ替わり」を意識せざるを得な
い今日この頃。そうなるとかつてのある種偏執的とも言えるファン
懐古に走るしか無くなる。かく言う僕もその1人なのだが(^^;)。

そんな中、興味深いテーマの本が発売された。
アイテムは94年に行われた全日本女子プロレスの東京ドーム大会
いわゆる「対抗戦ブーム」の象徴とも言える興行と、その大会が行
われるまでの経緯を克明に描いたノンフィクションである。

著者の小島和宏とは、その時代に週刊プロレスで女子プロレスを担
当していた記者。この人が居なかったらインディブーム女子プロ
対抗戦ブームも起こらなかったのではないか?と言われる程のキー
マンである。

僕が女子プロレスを真剣に観ていたのはこの時代のみ。
主に神取忍・風間ルミを中心とするLLPW勢を強烈に応援しており、
いちばんいけ好かない存在だったのが北斗晶であった。実際、オン
ナ同士の意地の張り合いは掛け値無しで面白く、それが小島記者の
煽りでさらに盛り上がっていた、異様に熱い時代だった。

小島氏の文章は本当にこちらにスッと入ってくる。
あの頃読みまくった週プロの記事は多々あるが、印象に強く残って
いるのは小島氏と鈴木健氏の記事が殆ど。僕らの週プロとは正しく
小島&鈴木健であり、そのうちの1人がまとめた文章が面白く無い
ワケが無いのは当然である。

もちろん僕もこの全女ドームを観に行ったのだが、試合よりも客席
のハチャメチャさがやたら面白かった印象。当然満員にはほど遠い
客入りで、外野席はゆったり。僕の席の側では明らかに「鍋」をや
っている集団があり、彼らと爆笑しながら長時間の興行を楽しんだ。
ただ、翌日に外せない仕事があり、23時過ぎ(^^;)に終了したメイ
ンイベントは最後まで観ていない、というのも覚えている。

すげぇ団体だよな、全女って(^^;)。
おそらく最初で最後の開催となった女子プロレスのドーム大会を、
しっかり検証すべし。面白いよ、コレ。

さらば闘いの日々

#ブルータス光秀


▼さらば闘いの日々 / 谷津嘉章

糖尿病が原因で片足切断を余儀なくされたプロレスラー、谷津嘉章
初の著書。実はこの本、リリースを知らされた時からちょっと期
待していた作品。最近のプロレス関係の諸誌で読む谷津のコメント
が非常に興味深く面白いものばかりなのがその原因なのだが・・・。

根本的なことを言うと、谷津嘉章というレスラーには全く思い入れ
を持っていない日本アマレスヘビー級最強とまで称された男だか
ら、強いことは間違い無いし、プロレス自体も決して下手では無い。
ただ、本書で本人も述懐している通り、その印象はいつも中途半端
その証拠に、これだけ長い間プロレスを観ているのに、谷津の試合
「名勝負」と感じた試合がただの1試合も無いのだから。

正直、この本の構成にもその「中途半端さ」を感じた(^^;)。
例えばWJに関する件についてはもっと突っ込んで喋って欲しかっ
たし、谷津ほどのボキャブラリーがあればソレが出来た気がする。
だけど・・・。

谷津嘉章
とにかく「気の毒」としか言い様の無いアマレス・プロレス人生。
メダル確実と言われたオリンピックは国がボイコットするし、プ
ロレスデビュー戦ではあり得ないくらいボロボロにされるし、凱
旋帰国したと思ったら維新軍に組み込まれるし、総合格闘技に出
る頃には年取ってるし、と一事が万事でそんな状況。コレに加え
WJの歴史的な大失敗、さらには後に起こした事業の失敗に加え、
壮年を過ぎてからの片足切断。これがもし自分だったら、と考え
ると、本人には申し訳無いが「死にたくなる」と思う。

それでも全てを受け入れ、今も必死に生きている事実はリスペク
に値する。これまでは好きでも嫌いでもないプロレスラーだっ
たのだが、この本を読んだ後はけっしてキライでは無いところま
で心が変わった。谷津嘉章の今後に、光があることを切に願う。

・・・あ、印象に残っている試合が1つだけ。
正規軍vs維新軍5vs5勝ち抜けマッチ高田伸彦戦。後に延彦
と名前を変える高田の出世はここから始まった。おそらくこの時
の高田の対戦相手が谷津でなかったら、その後の高田は無かった
気がする。良かった、1試合でも見つかって(^^;)。

風雲急を告げるバンタム級・井上の対戦相手は?

#バンタム級世界戦線


英国・バーミンガムで行われたWBO世界バンタム級王座統一戦
正規王者ゾラニ・テテ暫定王者ジョンリル・カシメロが挑んだ一戦。
テテはWBSS負傷途中棄権しており、「ドネアから逃げた」とウワサ
される始末。ここですっきり勝ち、井上尚弥との対戦を実現したいところ
だったのだが・・・。

カシメロ一方的な展開
3R、強烈なボディでダウンを奪ったカシメロは正規王者を蹂躙。テテに殆
ど何もさせないまま王座統一に成功。バンタム級にまた一人、面白そうな
選手が出てきた。

しかし、両者共に井上のレベルまで達しているか?と問われると、?マー
を付けざるを得ない。この試合によってテテは完全に権利を無くしたが、
勝利したカシメロ、更にWBC王者ウーバーリでも、今のところ井上に全
く勝てる気がしないのだが・・・。

となると、次に井上が対戦すべき強敵はスーパーバンタム級から降りてく
ギジェルモ・リゴンドーくらいか? 相応しい対戦相手を探すのが困難に
なってきたなぁ、井上尚弥。