証言 新日本プロレス「ジュニア黄金期」の真実

#僕らのライガー


▼証言 新日本プロレス「ジュニア黄金期」の真実 / V.A

順調に冊数を伸ばしている宝島「証言」シリーズの最新作は、新日ジュニア
80年代にジュニア黄金期を築き、世界中に新日ジュニアをアピールする、と
いう偉業を成し遂げ、まもなく引退する我らの獣神サンダー・ライガーに関
するインタビュー集である。

証言シリーズはある意味「歯に衣を着せない」感じの文章がウリだったと思
うのだが、今回は全くそういう雰囲気が無い前田藤原を始めとする大物
もインタビューに応えているのだが、毒舌でならす彼らからすら、ライガー
に関する「悪口」が一つも見えない。ファンだけでなく、同じプロレスラー
や業界関係者からもリスペクトされているライガー。僕らの宝物である。

もう引退まで2ヶ月とちょっと
ライガーの居ないプロレスがどんな風景になるか、今はなんとも言えないの
だが、改めて残りのライガーを最後まで見届けよう、と思った。

スーパージュニアに、そして世界の獣神に栄光あれ!

スカイ・ハイ 〜42年目の真実〜

#なんてことだ・・・


ミル・マスカラステーマソングとして世界的に有名な「SKY HIGH」
マスカラスの雰囲気にピッタリマッチし、そのおかげで日本でも大ヒット
したジグソー(Jigsaw)というディスコ系バンドの曲なのだが、ちょっと
YouTubeを巡っていたらとんでもない事実を発見した。

・・・歌ってるのドラマーなんかい!!!
いやぁ、マジでビックリ(^^;)。そもそもこの曲、プロレス関係の場所で
しか聴いたことのない曲で、ジグソーの演奏風景を観るのも実は初めて。

1977年にマスカラスが入場テーマとして使用した頃から聴いていた曲だ
けど、こういう編成のバンドだとは夢にも思わなかった。
あと、キーボードの人はどうして楽器を横に向けた上で正面を見ている
のか解らない(^^;)。

衝撃だなぁ、ジグソー。

▼スカイ・ハイ&レア・トラックス / ジグソー

掃除屋

#THE CLEANER


▼掃除屋 プロレス始末伝 / 黒木あるじ(Kindle版)

最近Amazonのレコメンドで頻繁に表示されていた作品。
まぁ、プロレス関係の書籍をあれだけ購入していればそうなるのもしょ
うがないのだけど(^^;)。丁度読むべき本が切れていたところなので、
取り敢えず読んでみた。

関係各所・・・団体社長とか・・・からの依頼を受け、対戦相手リング上で
制裁引退・廃業ないしは長期欠場に追い込みながら、試合にはキッチ
リ負ける、という裏稼業をこなすフリーランスのベテランプロレスラー
が主人公。かつて試合中のアクシデントで親友を再起不能に追い込み、
その医療費を稼ぐために「仕事」を行う。そんな主人公に重大な疾患
発見され、最後の舞台を模索するのだが・・・という内容。

最初に言っておくべきだと思う。コレ、設定にハッキリと「無理」があ
ります、ええ(^^;)。問題のある選手をリング上で制裁する、という場面
は本当に稀に実現すると思うが、それが「商売」になる、というのは考
えづらい。もし現実にこういう事態が発生したら、該当の選手は一発で
仕事を無くす。ソレをバレないようにやっている、と言われても、関係
者に解らない人間なんて居ないような・・・。

そして最近のプロレス小説には珍しく、ケーフェイへの踏み込みが曖昧。
そこらへんでやや不満になるのは、僕があまりに擦れてしまった所為
と思うんだけど・・・。

でも!
そういう感じで難点は幾つも見つかるのだが、この小説は「熱い」
若い選手にバトンを渡す場面や、クライマックスで命のかかった危険な
試合に臨む主人公が大ピンチから脱する場面などは本当にちょっと泣い
(^^;)。この作者はきっとプロレスファンの気持ちをよく解っている

当然、黒木あるじという作家はこれまで聞いたことの無い名前。
調べてみるとホラー・怪談系の作品を多々書いている人らしい。ちょっ
と読んでみようかな、プロレスファンの描く怪談を。

プロレスまみれ

#ケーフェイ?関係ねーよ!


▼プロレスまみれ / 井上章一

タイトルに「プロレス」と付いており、しかも宝島からのリリース。
井上章一という著者が全く知らないのだが、だとするなら一応購入して
おいた方がいい、ということで入手した新書なのだけど・・・。

井上さん、なんと京大の教授らしい(^^;)。
この偉い先生が、主に「プロレスとTVの関わり」について書いている本。
最近の出版物らしく、ケーフェイとかを全く気にしていない内容(^^;)。

とはいえ、かなり好感は持てる。
少なくともこの人はプロレスに対してかなり「愛情」を持っていること
がよく解るし、訳知り的なイヤな印象も無い。思っていることをストレ
ートに表現した、と解釈する。

でも、それが面白いかというとちょっと(^^;)。
こういうのは本で読むのでは無く、居酒屋とかで同好の士たちと語るべ
きことで、文章で読むほどのことは無い気が。さらにひらがなを多用し
た文体、きっと「狙い」なんだろうけど正直読み辛い(^^;)。

惜しかったなぁ、コレ(^^;)。
邪推流のプロレスの楽しみ方、という着眼点は良かったんだけど・・・。

『正しいプロレスラー』

#バトルライガー・両国で壮絶に散る


新日本プロレス「KING OF PRO-WRESTLING」両国国技館。
年明けドームのメインカードが確定する重要な大会であり、IWGP王者
のオカダ・カズチカ、権利証保持者の飯伏幸太がそれぞれ最後の防衛戦
を行う日。しかし、その2つを差し置き、最も事前の注目を集めたのは、
第4試合に組まれたスペシャルシングルマッチだった。

獣神サンダー・ライガーvs鈴木みのる
上半身裸のバトルライガー仕様で花道に姿を現したライガーに大歓声。
この姿を観ただけで、僕も唸りとも叫びとも言えない変な声が漏れた。



打撃関節技を主体とした闘いは、二人の「原点」を思い起こさせる攻防。
体格に劣るライガーだが、前半はあの鈴木を相手に五分以上に渡り合った。
この時点で僕はもう号泣していた。




しかし、ペースは徐々に自力に勝る鈴木へ傾く。
スタミナを使い果たしたライガーはそれでも食い下がったが、スリーパー
からゴッチ式パイルドライバーという鈴木の必勝パターンが決まり、敢え
なく試合は終了。ライガーは完膚なきまでに叩きのめされた


試合後、イスを持ち出した鈴木だが、ダウンするライガーの前でイスを投
げ捨て、その場で土下座。この試合にタイトルマッチを凌ぐ価値観を創っ
てくれたのは間違い無く鈴木みのるである。あまりに見事なプロフェッシ
ョナル振りに感服した。

・・・おそらく今日は、実質的な獣神サンダー・ライガーの引退試合だった
のだと思う。退場時、リングに向かい深々と礼をしたライガーは、最後に
全力を出せた、という達成感に満ちていた気がする。

ある作家はライガーを「正しいプロレスラー」と称した。
30年以上、ずっと変わらずに僕の正しいプロレスラーで在り続けてくれ
た獣神サンダー・ライガーに、心から感謝する。

最終章もやっぱり最高だった。何度言っても言い足りない「ありがとう」
を、僕は東京ドームで直接ライガーに言わなければならない。